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親知らず

親知らずは大人になってから生える?抜歯の判断についても解説します

親知らず 大人になってから

大人になってからの親知らずの問題は、多くの人が直面する厄介な状況です。親知らずが生えてくる時期には個人差があり、抜歯する場合は20代前後で抜歯することが推奨されています。しかし、抜歯した方が良い場合と、抜歯しない方が良い場合とがあり、個人の状況に合わせた処置が選択されます。
本記事では、大人になってからの親知らずについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 親知らずについて
  • 親知らずを抜いた方がいい場合
  • 親知らずを抜かない場合と残すメリット

大人になってからの親知らずについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

親知らずについて

親知らずについて

親知らずとは何ですか?
親知らずとは、歯の最も奥に位置する永久歯のことであり、一般的には「智歯(ちし)」や「第三大臼歯」とも呼ばれます。親知らずが生える際には、歯肉に炎症が起こり腫れることがあり、生えた後もむし歯になりやすい特性があります。親知らずはむし歯になりやすい部位であるため、歯ブラシが届きにくく、歯垢や歯石が蓄積しやすいことがその理由です。また、親知らずが斜めに生えたり隣の歯を圧迫したりすることで、隣の歯もむし歯になるリスクが高まることもあります。親知らずのむし歯は痛みが出るまで気付きにくいため、進行してから気付くことも多いです。そのため、むし歯を放置すると激しい痛みや口臭の原因になるだけでなく、さらに重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、適切な治療や抜歯が必要とされます。
親知らずが生えるのは何歳頃ですか?
親知らずが生える年齢について、一般的には3〜4歳頃から顎の骨の中で形成が始まり、8〜10歳頃にはレントゲンで確認できるようになります。ただし、個人差が大きく、30代や40代で生えてくる人もいれば、一生埋まったままの人や元から存在しない人もいます。親知らずが痛くなる年齢には特に決まりはなく、通常は20歳前後に生えてきてからしばらくして痛みを引き起こすことがあります。親知らずは異常な生え方をすることが多く、口の奥に位置するためトラブルを引き起こしやすいです。
親知らずはどのように生えますか?
親知らずは、顎の骨の中で形ができ始め、20歳前後に口の中へ生えてきます。この歯は他の歯と異なり、まっすぐに生えず埋伏歯(横に生えた状態)になる可能性が高いです。親知らずは上下左右の4本が一般的ですが、全く生えない人や4本揃っていない人もいます。理想的な状態では、親知らずがまっすぐ正しく生えている場合で、他の歯と同じ機能を果たし問題が少ないです。しかし、親知らずがまっすぐに生えない場合も多く、斜めや水平に埋まってしまうことがあります。斜めに生える場合は第二臼歯を圧迫しむし歯や歯周病のリスクが高まります。
親知らずを抜歯する場合、何歳頃までにすると良いですか?
親知らず(智歯)の抜歯は、一般的に20代のうちに行うことが推奨されています。親知らずは通常、20歳前後に口の中へ生えてくる歯であり、その生え方や位置によっては他の歯や口の健康に影響を及ぼす可能性があります。特に斜めや水平に埋まっている場合や周囲の歯や歯茎に影響を与える状態であれば、早めの抜歯が適切です。親知らずが正しく生えている場合でも、むし歯や歯周病のリスクを考慮し、適切なケアを行うことが重要です。一般的には若いうちに抜歯することが推奨されており、20代前後が適切とされています。若い時期に抜歯する理由として、骨がまだ硬く出血も早く止まりやすいことが挙げられます。逆に高齢になると抜歯のリスクが高まり、回復に時間がかかる可能性もあるため、若いうちに対処することが重要です。

親知らずを抜いた方がいい場合

親知らずを抜いた方がいい場合

むし歯の親知らずは、なぜ抜歯をした方がいいのですか
むし歯の親知らずを抜歯する理由は、親知らず自体やその周囲の歯がむし歯になってしまった場合、感染や痛みのリスクを軽減するためです。親知らずは清掃が難しく、むし歯になりやすい部位です。むし歯が進行すると痛みや感染が生じ、周囲の健康な歯にも影響を及ぼす可能性があります。特に親知らずが横向きや埋没している場合、清掃が不十分でむし歯になりやすく、抜歯を検討することが重要です。また、親知らずのむし歯は進行が早く、痛みを感じる前に深刻な状態になることもあります。抜歯を行うことで、感染の拡大や痛みの発生を防ぎ、口腔内の健康を保てます。
親知らずが横向きに生えている場合は抜歯をした方がいいですか?
親知らずが横向きに生えている場合、抜歯を検討する必要があります。横向きに生えた親知らずは、周囲の歯に圧迫をかけたり、歯並びを乱したりする可能性があります。さらに、横向きに埋まっていると清掃が難しくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。放置すると、痛みや腫れだけでなく、感染や噛み合わせの問題を引き起こす可能性もあります。したがって、横向きに生えた親知らずは早めに専門家の判断を仰ぎ、抜歯を検討することが重要です。
親知らずの周りの歯茎が腫れている場合は抜歯した方がいいですか?
親知らずの周りの歯茎が繰り返し腫れている場合、抜歯を検討する必要があります。この症状は、親知らずが歯茎に圧迫をかけたり、感染を引き起こしたりする可能性があります。腫れは痛みや不快感をもたらすだけでなく、感染が進行すると全身にも悪影響を及ぼす恐れがあります。親知らず周辺の腫れは、重要なサインであり、歯科医師との相談を通じて適切な治療法を検討することが重要です。放置すると、症状が悪化し、より深刻な問題を引き起こす可能性があるため、早めの対応が必要です。
親知らずが原因で歯茎や口腔粘膜を傷つけている場合は抜歯した方がいいですか?
親知らずが歯茎や口腔粘膜を傷つけている場合、抜歯を検討する必要があります。親知らずが正しい位置にないと、歯茎や粘膜に圧力をかけて痛みや腫れを引き起こす可能性があります。また、親知らずが傾いて生えていると、周囲の組織に損傷を与えることがあります。これらの状況では、抜歯が適切な解決策となる場合があります。歯茎や口腔粘膜に影響を及ぼすことで感染リスクも高まります。

親知らずを抜かない場合と残すメリット

親知らずを抜かない場合と残すメリット

親知らずがきちんと生えている場合は、抜歯しなくてもよいですか?
親知らずがきちんと生えている場合は、抜歯しなくてもよいケースがあります。例えば、親知らずがまっすぐに生えている場合や、他の歯に影響を及ぼさず正常に機能している場合は、抜歯が必要ないことがあります。歯並びに影響がなく、適切な位置にある場合や、周囲の歯に圧迫をかけていない場合は、抜歯を行わなくても問題がないことがあります。ただし、親知らずの状態や個々の口腔状況によって適切な判断が必要です。そのため、定期的な歯科検診を受けて専門家の意見を聞くことが重要です。
親知らずを抜かない方がいいケースもありますか?
親知らずを抜かない方がいいケースも存在します。親知らずが正しく生えており、歯並びや噛み合わせに影響を与えず、十分な機能を果たしている場合は、抜歯の必要性が低いです。特に、親知らずが真っ直ぐに綺麗に生えており、歯磨きが適切に行え、歯茎を傷つけない場合は、即座に抜歯する必要はありません。また、完全埋伏歯や半埋伏歯で痛みや問題がない場合は、経過観察を選択することも一般的です。親知らずを抜く際にはリスクも考慮されるべきであり、抜いた場合のリスクが大きい場合や他の歯や口の健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、慎重な判断が必要です。
親知らずを抜かずに残すメリットを教えてください
親知らずを抜かずに残すメリットにはいくつかのポイントがあります。まず、親知らずを残しておくことで、将来的に歯を失った際に治療で利用できる可能性があります。具体的には、歯牙移植やブリッジ、部分入れ歯などの治療法で親知らずを活用できます。歯牙移植は歯の移植に利用され、古くから行われている治療法です。また、ブリッジや部分入れ歯の支えとしても親知らずを活用できます。さらに、親知らずを抜かないことで、噛み合わせのバランスを保ち、上下左右の4本すべての親知らずが生えていない場合にもバランスを整える助けとなります。このように、親知らずを抜かずに残すことで将来の治療や噛み合わせのバランスを保つメリットがあります。ただし、個々の状況や必要性に応じて適切な判断が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで大人になってからの親知らずについてお伝えしてきました。
大人になってからの親知らずの要点をまとめると以下の通りです。

  • 親知らずは、顎の骨の中で形ができ始めて20歳前後に口の中へ生える。まっすぐに生えず埋伏歯(横に生えた状態)になる可能性が高い
  • むし歯の親知らずや横向きに生えている親知らず、親知らずの周りの歯茎が腫れている場合は、親知らずを抜いた方が良い
  • 親知らずが正しく生えており、歯並びや噛み合わせに影響を与えず十分な機能を果たしている場合は抜歯の必要性が低く、将来的に歯を失った際に治療で利用できたり、噛み合わせのバランスを保てたりするメリットがある

親知らずについての理解は深まりましたか。
大人になってから、親知らずを抜く必要があるか否かは個人の状況によって異なります。
違和感や不安がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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