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顎関節症

顎関節症は治せるの?治療法や原因を徹底解説!

顎関節症は治せるの?治療法や原因を徹底解説!

顎関節症は、顎の関節や筋肉に痛みや音が出る病気です。顎関節症になると、食事や会話が辛くなったり、頭痛や耳鳴りなどの症状が出たりします。
顎関節症の治療は、原因やタイプによって異なります。
本記事では顎関節症の治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 顎関節症の仕組み
  • 顎関節症と病院
  • 顎関節症と治療法

顎関節症の治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

顎関節症の仕組み

顎関節症の仕組み

顎関節症とはどのような病気ですか?
顎関節症とは、顎の骨と頭蓋骨をつなぐ関節(顎関節)やその周囲の筋肉、靭帯などに異常が生じることで、顎の動きに痛みや違和感が起こる病気です。
顎関節は、口を開けたり閉じたりするときに動くほか、咀嚼(そしゃく)や発声にも関わっています。そのため、顎関節症になると、食事や話すことが困難になったり、顎の音やずれ、頭痛や耳鳴りなどの症状が現れたりします。
関節症は、早期に適切な治療を行うことで、症状の改善や予防が期待できます。しかし、放置すると、顎関節の機能がさらに低下したり、顎の変形や顔の非対称などの重篤な合併症が起こったりする恐れがあります。そのため、顎関節症の疑いがある場合は、早めに歯科医師や口腔外科医師などに相談することが大切です。
どうして顎関節症になるのでしょうか?
顎関節症の原因は、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。一般的には、顎関節に過度な負担がかかることで、関節の機能が低下したり、炎症や変形が起こったりすることが考えられます。
顎関節に負担がかかる要因としては、以下のようなものがあります。
  • 歯ぎしりや食いしばりなどの習慣
  • 歯並びや噛み合わせの不正
  • 顎の外傷や手術
  • ストレスや精神的な緊張
  • 姿勢や生活習慣の乱れ
どんな人が顎関節症になりやすいですか?
顎関節症は、男女や年齢に関係なく発症する可能性がありますが、特に20代から40代の女性に多く見られるといわれています。これは、女性ホルモンの影響などが関係していると考えられます。
また、顎関節症は他の病気との関連性も指摘されていて、リウマチや糖尿病などの全身性の病気や、睡眠時無呼吸症候群やうつ病などの精神的な病気との関連が報告されています。

顎関節症と病院

顎関節症と病院

顎関節症は何科に行けばいいのでしょうか?
まずはかかりつけの歯科医院を受診して、症状の強さや経過あるいは日常生活への影響などをご相談いただき、治療が可能かどうか診断する必要があります。
もしかかりつけの歯科医院で正確な診断が出来ない場合や治療の効果が上がらない慢性的な病状の場合には、全身疾患との鑑別診断に加えてより高度の検査を行うことのできる総合病院の口腔外科を受診することをおすすめします。
顎関節症の診断方法を教えてください。
顎関節症の診断は以下のステップで行われます。1.症状の確認
患者さんの症状を詳しく確認します。顎関節症の典型的な症状には、口を開ける際の痛み、顎の動きに伴う音(ゴリッ、カクッなど)、口が十分に開かない(正常な場合には2、3横指以上が縦に入るが、痛みのために1~2横指以下しか入らない場合が多い)などがあります。
また、患者さんの生活習慣についても確認します。

2.身体所見
顎関節の動きを観察し、開口時や閉口時に顎関節で音がするかを確認します。
また、開口の角度や範囲も測定します。

3.圧痛の確認
顎関節や周囲の筋肉を指で圧迫し、痛みや違和感があるかを確認します。
これにより、痛みの具体的な位置や範囲を把握します。

4.画像検査
顎関節症の診断には、以下の画像検査が用いられることがあります。レントゲンやCT、MRIなどで顎関節の骨や軟骨、関節液などの状態を確認し、炎症や損傷、石灰沈着などがあるかを判断します。

  • レントゲン:顎関節の骨の状態を確認し、変形や異常がないかを見ます。
  • CT(コンピュータ断層撮影):より詳細な骨の構造を確認し、顎関節の細かな異常を検出します。
  • MRI(磁気共鳴画像法):関節のディスクや周囲の軟部組織の状態を評価します。MRIは、特に関節のディスクの位置異常や損傷を確認するのに役立ちます。

画像検査だけでは診断できない場合は、顎関節の動きを測定する検査や、顎関節の中にカメラを入れる内視鏡検査などを行うこともあります。

顎関節症の正確な診断は、適切な治療法を選択するために不可欠です。症状や原因に応じた治療計画を立てることで、症状の緩和や改善が期待できます。
顎関節症の診断は、これらのステップを通じて、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせた治療へと繋がります。
症状に気づいたら、早めに医師の診察を受けることが重要です。

顎関節症と治療法

顎関節症と治療法

顎関節症の治療法を教えてください。
顎関節症の治療法は、原因や症状によって異なりますが、一般的には以下のようなものが行われます。
  • 日常生活の改善:顎関節に負担をかける習慣や姿勢を改めることで、症状の悪化を防ぎます。例えば、硬い食べ物や大きな口を開ける食べ物を避けたり、頬杖やうつ伏せ寝をやめたり、歯ぎしりや食いしばりを防ぐためにリラックスしたりします。
  • 薬物治療:痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬を服用したり、関節内に注射したりします。薬物治療は症状の緩和には効果が見込めますが、根本的な原因を解決するものではありません。
  • 理学療法:顎関節や周囲の筋肉の可動性や柔軟性を高めるために、関節の運動やマッサージなどを行います。理学療法は自分で行うこともできますが、専門家による指導や施術が望ましいです。
  • マウスピース治療:顎関節の位置や咬合(噛み合わせ)を正常にするために、口の中に装着する装置(スプリント)を用いる治療です。スプリントは歯科医によって作製され、定期的に調整されます。スプリントは顎関節症の最も一般的な治療法です。
  • 外科的治療:上記の治療法で改善しない場合や、顎関節の構造に異常がある場合に、手術を行うことがあります。手術には関節内治療や関節置換術などがありますが、リスクや費用も高いので、最終的な選択肢となります。
顎関節症は自然治癒しますか?
症状の重さや原因にもよりますが、一時的に症状が治まることもあります。しかし、症状が強い場合や長期に続く時は、早めに歯科を受診することが必要です。症状を我慢して放置すると、顎の歪みや嚙み合わせが変化する原因となります。異常を感じたら自己判断で対処をせず、専門家の診断に基づいた治療を行うことをおすすめします。
顎関節症を放置するとどうなるのでしょうか?
顎関節症を放置すると、以下のような悪影響が考えられます。
  • 顎関節の損傷:顎関節症の原因の一つに、顎関節の軟骨や円盤のすり減りや破損があります。これらの損傷は、放置すると進行し、顎関節の変形や変位、関節炎などを引き起こす可能性があります。
  • 噛み合わせの悪化:顎関節症によって顎の動きが制限されると、噛み合わせが悪くなります。噛み合わせが悪いと、歯や歯茎の痛みや炎症、歯のすり減りや欠け、歯並びの乱れなどの歯科疾患を引き起こす可能性があります。

以上のように、顎関節症を放置すると、顎関節や歯、全身の健康に悪影響を及ぼすことがわかります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで顎関節症の治療についてお伝えしてきました。
顎関節症の治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • 顎関節症は、関節円板のずれや変形、関節周囲の筋肉や靭帯の異常などによって、顎の痛みや開口障害、関節雑音などの症状が起こる病気である
  • 顎関節症は、歯科や口腔外科で診察・治療を受けられる
  • 顎関節症の治療法には、保存的な方法と外科的な方法がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

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