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顎関節症の人におすすめの食事とは?避けるべき食べ物と食事の注意点を解説

顎関節症の人におすすめの食事とは?避けるべき食べ物と食事の注意点を解説

顎関節症は、口を開けると痛い、口を大きく開けられない、このような症状に悩まされて食事で不自由を感じる方は少なくありません。顎関節症の症状が強く現れているときは、何を食べたらよいのかわからない方もいます。

この記事では、顎関節症の患者さんにおすすめの食事や避けるべき食べ物、食事の注意点などを詳しく解説します。

顎関節症の人におすすめの食事

顎関節症の人でも問題なく食べられるおすすめの食事と調理で工夫するポイントを解説します。

顎関節症の人でも食べやすい食事を教えてください
顎関節症の症状が強く現れていて、通常の食事が難しい場合は、以下のような食事がおすすめです。

◎お粥

顎関節症の影響で食べ物をほとんど噛むことができない場合は、お粥をメインにした食事をとりましょう。お米の芯が残らないようにしっかりと煮込んだお粥は、噛まずに飲み込むこともできます。お粥にはさまざまな具材を入れることができるため、栄養の偏りも心配がありません。工夫次第で豊富なレパートリーを作れるので、お粥への飽きを防いでくれることでしょう。

歯応えが少なく薄味なお粥は、普通の食事よりも満足度が低下しますが、顎関節症による痛みで強いストレスを受けたり、病状が悪化したりすることを防止できる点は、患者さんとってメリットになります。お粥に飽きたら、リゾットのような西洋風にアレンジすることでも満足度は高められます。

◎豆腐料理

豆腐料理もお粥と同様、ほとんど噛まずに飲み込むことができるため、顎関節症の症状が強く現れている際におすすめの食事です。市販の豆腐を、そのまま食べるのもよいですが、豆腐ステーキや豆腐サラダにして食べると、食事の満足度も向上します。

冬場は湯豆腐にすると、消化に良くなるだけでなく、体を温める効果も期待できます。豆腐に関しても、さまざまな食材を添えることで、栄養バランスが偏るのを防げます。

◎シチュー

シチューは、使用する食材の種類や調理の仕方によって、噛み応えを細かく調整できる料理です。顎関節症による症状が強くないのであれば、にんじんやブロッコリー、かぼちゃなどの野菜を入れて、歯応えが残るように調理してもよいでしょう。

顎関節症による症状が強く現れている場合は、たくさんの野菜を入れ、しっかりと煮込むと顎への負担を抑えられます。シチューには豚肉や鶏肉、海鮮なども入れることができるため、栄養バランスも抜群です。

◎春雨

ラーメンやうどん、パスタなどの麺類は、咀嚼の際に顎関節を使わなければなりません。顎関節症の症状が強くなっているときは、麺類を避けている患者さんもいるでしょう。そのような場合は、春雨がおすすめです。春雨にはコシがなく、軽く噛むだけで飲み込めるため、顎関節症の患者さんでも気軽に食べられます。

春雨は通常の調理方法に加えて、和風だしで煮込んだり、カレースープを使ってカレー風味の春雨に仕上げたりするなど、味付けを変えやすい料理でもあるため、頻繁に食べても飽きにくいです。

食事の際に調理で工夫するポイントを教えてください
顎関節症の患者さんの食事では、食材をどれくらいまでやわらかくするかが調理のポイントとなります。歯応えがまったくなくなるくらいまで煮込んだり、火を通したりすることで顎関節への影響を抑えられますが、そうすると食事の満足度が低下します。

調理する際には、今の顎関節の状態でどれくらいの硬さなら食べられるかということを意識するとよいでしょう。歯応えの少ない食事は満足度が自ずと低下することから、味付けを変えたり、いろいろな食材を使ったりする工夫も大切です。栄養が偏らないように食材を選ぶこともポイントです。

顎関節症の人が避けるべき食事

顎関節症の人が避けるべき食事 顎関節症を発症している人が避けた方がよい食事、食材を解説します。

顎関節症の人が避けた方がいい食べ物を教えてください
顎関節症の患者さんは、基本的に硬い食品を避けた方がよいでしょう。以下にあげるような食品はおすすめできません。
  • フランスパン
  • スルメイカ
  • ナッツ類
  • リンゴ
  • ガム

上記以外にもしっかりと噛まなければ飲み込めないものは、できるだけ避けるようにしましょう。ガムに関しては、顎関節やその周りの筋肉に過剰な負担をかけることから、顎関節症の患者さんにはおすすめできません。

硬い食品を食べたときの顎関節への影響を教えてください
顎関節は、咀嚼機能の支点となる部位です。硬い食品を無理に噛もうとすると、咀嚼の中心的な役割を果たす顎関節に過剰な負担がかかります。

顎関節が正常な状態であれば、役割をしっかりと果たしてくれるのですが、顎関節症を発症している場合は、顎関節やその周囲の筋肉の炎症反応が強まったり、関節円板に不可逆的な変化をもたらしたりする可能性があります。そのため、顎関節症の患者さんは、硬い食品を無理に食べないことが大切です。

どうしても食べたい場合の負担を減らす方法はありますか?
顎関節症でも硬い食品を食べたいときは、ゆっくりと慎重に噛むようにしてください。できるだけやわらかくなるように調理したり、細かく刻んだりして、顎関節への負担を減らすよう心がけましょう。

顎関節症の人が食事での注意点

顎関節症の人が食事での注意点 顎関節症の患者さんが食事の面で注意すべきことを解説します。

顎関節症の人は食事の際にどのようなことに気をつけるべきですか?
顎関節症の患者さんは、食事の内容だけでなく、食事の取り方にも注意が必要です。具体的には、食事の噛み方や食事をとるときの姿勢にまで配慮する必要があります。詳細は後段で解説します。
顎関節症が悪化する食事の習慣はありますか?
多くの人には、噛み方に癖があります。片噛み癖と呼ばれるもので、左右どちらかの歯だけで噛む癖のことを指します。そのような噛み方は、歯や歯周組織だけでなく、顎関節にまで影響をおよぼすことから、左右均等に噛む習慣を身に付けましょう。
顎関節症の人が食べ方で気をつけることを教えてください
食事を取るときには、基本的に背筋を伸ばし、正面を向いた姿勢を維持するよう心がけましょう。テレビを見るために半身になったり、足を組んだ状態で食事をしたりするのは顎関節に悪い影響がおよびます。うつ伏せになって肘をついた状態で食事を取るのもよくありません。顎に不要な負担がかかる姿勢や食べ方は避けるようにしましょう。
食後にできるセルフケアの方法を教えてください
顎関節に大きな負担がかかるのは食事です。そのため食後には、適切な方法でセルフケアして、顎関節への負担を軽減するのが望ましいです。顎関節症の患者さんが食後にできるセルフケア方法は、筋肉のマッサージです。顎の周囲の筋肉を正しい方法でマッサージすることで血行がよくなり、咀嚼筋の痛みが軽くなります。

ただし、間違った方法で過剰にマッサージすると、顎関節の症状がかえって悪くなることもあるため、マッサージの方法は歯科医院で指導を受けるようにしましょう。食後に、人とたくさん会話したり、あくびのような口を大きく開けたりする行為を避けることも顎関節症のセルフケアのポイントです。

編集部まとめ

顎関節症の人におすすめの食事や避けるべき食べ物、食事の注意点について解説しました。顎関節に痛みや雑音、開口障害などが生じる顎関節症は、食事の際に注意すべき点はたくさんあります。硬い食べ物を無理に噛んだり、片側だけ噛む癖があったりすると、顎関節症の症状を悪化させるため、食事の内容や取り方、噛み方には十分に注意する必要があります。顎関節症は歯科医院で治療を受けることができるため、顎の痛みや開口障害に悩まされている方は、まず診察を受けることが推奨されます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正 / 一般歯科全般もOK

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