歯列の一番奥に生える親知らずは、斜めや横向きに生えてくることも少なくありません。
歯ブラシが届きにくいため磨き残しがおきやすく、口臭やむし歯、歯周病などの原因になることもあります。
この記事では、親知らずが臭い原因や抜歯後に口臭がきつくなる理由、口臭対策に効果的な方法などを解説します。
ご自身に合った方法でお口を清潔に保ちましょう。口臭や親知らずのケアで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
親知らずが臭い原因は?
- 親知らずがあると口臭が発生しやすいのですか?
- 親知らずは歯列の一番奥に生える歯です。歯ブラシが届きにくく食べかすが残りやすいため、親知らずに付着した汚れが腐って口臭の原因となることがあります。また、口腔内に残った食べかすは細菌の増殖を引き起こし、むし歯の原因にもなりえます。むし歯や歯周病も口臭の原因の一つです。増殖した細菌や歯茎から出た膿は臭いの原因になるため、正しい方法での親知らずのケアが重要です。口臭に悩んだら、かかりつけの歯科医院を受診し、ご自身の歯並びに合わせた歯磨きの方法を教えてもらいましょう。
- 口臭が発生する原因を教えてください。
- 親知らずが原因となって口臭が発生している場合、以下のことが考えられます。
- 親知らずに付着した食べかすが腐って臭いを発生している
- 親知らずまたは周囲の歯がむし歯や歯周病になっている
- 親知らず周囲の歯茎が炎症を起こして膿が出ている
いずれも原因は、口腔内に残った食べかすです。斜めや横向きに生えた親知らずは歯磨きしにくく汚れが残りやすいので、特に注意しながらケアする必要があります。また、口臭予防には歯医者さんでのクリーニングも効果的です。お口の隅々まできれいになるだけでなく、むし歯の早期発見にもつながります。日々のケアや口臭に不安がある方は、定期的に歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
- 親知らずが臭い場合歯周病にかかっている可能性もありますか?
- 親知らずが臭い場合、むし歯や歯周病を引き起こしている可能性があります。歯周病とは、細菌の感染や繁殖によって歯茎が炎症を起こしている状態のことです。繁殖した細菌は臭いの原因となるため、口臭がきつくなる可能性があります。また、歯周病が悪化すると歯茎から膿が出ることがあり、口臭の原因になりえます。親知らずは一番奥に生えるため、ご自身でむし歯や歯周病に気付くことは難しいでしょう。定期的に歯科医院を受診し、むし歯や歯周病の早期発見に努めることが大切です。
親知らずを抜いた後の口臭の原因
- 親知らずを抜いた後に口臭がひどくなることがあると聞いたのですが…。
- 親知らずの抜歯後は、さまざまな原因で一時的に口臭がひどくなることがあります。原因の一つが口腔内の汚れです。抜歯部位は歯茎がポケット状に凹むため、食べかすが入り込みやすく、放置すると腐って口臭の原因になります。傷口が塞がるまでの間は食後のうがいを心がけ、口腔内を清潔に保ちましょう。また、抜歯部位が細菌に感染すると、膿や細菌が臭いを発生して口臭がきつくなります。傷口強くこすらないよう注意し、抗生剤が処方されている場合には医師の指示通りにきちんと内服しましょう。
- 親知らずの抜歯後の口臭の原因を教えてください。
- 親知らずの抜歯後、以下のような原因で口臭が発生する場合があります。
- 縫合糸に付着した汚れ
- 抜歯後の歯茎の凹みに溜まった食べかす
- 抜歯後の傷口の治癒過程で発生した膿
- 傷口の細菌感染
- ドライソケットによる骨の細菌感染
縫合糸や抜歯部位に付着した汚れは、放置すると口臭の原因になります。食後に軽くうがいをして、汚れを落とすとよいでしょう。頻繁にうがいをしたり傷口を強くこすったりすると、逆に口臭がひどくなる可能性があるため注意が必要です。また、抜歯後の傷口が治るまでには1週間から1ヵ月程かかります。抜歯部位が傷付くと細菌感染を引き起こすリスクがあるため、傷口が治るまでは毛先がやわらかい歯ブラシを使用しましょう。傷口の治癒過程で血餅が欠如した状態を、ドライソケットと呼びます。骨が露出した状態になるため細菌感染のリスクが高く、悪化すると骨の壊死を引き起こします。抜歯後数日経っても痛みが引かない、痛みが強くなった場合は早急に病院を受診しましょう。
- 親知らずの抜歯後の口臭には個人差がありますか?
- 親知らず抜歯後の口臭には年齢や口内環境、基礎疾患などが関係しています。糖尿病の患者さんは抜歯後の傷が治りにくく感染リスクが高いため、細菌の増殖による口臭が発生しやすい状態です。抗生剤が処方されている場合は医師の指示通りに内服し、細菌感染を予防しましょう。また、日々の口腔ケアの方法によっても口臭に差が生まれます。抜歯後は、痛みや出血などへの恐怖心から歯磨きが不十分になりやすいため、注意が必要です。やわらかい毛先の歯ブラシを使用したり、食後にうがいをしたりして、口腔内を清潔に保ちましょう。
親知らずによる口臭の対策
- 親知らずによる口臭の効果的な対策を教えてください。
- 親知らずによる口臭の原因には、以下のようなものがあります。
- 親知らずに付着した食べかす
- 細菌の繁殖
- むし歯や歯周病
親知らずや周囲の歯に磨き残しがあると、食べかすが腐って臭いを発生します。また、細菌が繁殖したり歯茎から膿が出たりすると口臭の原因になるため、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療が重要です。斜めや横向きに生えた親知らずは磨き残しが起こりやすいため、定期的に歯医者さんでクリーニングを受けるのもよいでしょう。
- 親知らずの歯磨きがしづらいのですがよい方法はありますか?
- 親知らずは一番奥に生えるため歯ブラシが届きにくく、ほかの歯と比べて磨き残しが発生しやすい部位です。歯と頬が接していて磨きにくい場合は、ヘッド部分が小さく薄い歯ブラシを使用するとよいでしょう。歯の側面だけでなく奥側(のど側)までしっかり磨くことで、食べかすをきれいに取り除くことができます。ヘッド部分が丸いものや尖った形のものを選ぶとよいでしょう。また、手前の歯と重なっている部分のケアにはタフトブラシがおすすめです。毛先が小さな束になっているため、歯と歯の隙間の汚れも落とせます。鏡を見ながら歯ブラシを細かく動かすと、磨き残しを抑えられるでしょう。
- 親知らずの抜歯後の口臭の対策を教えてください。
- 親知らずの抜歯後は、凹んだ抜歯部位に食べかすが入り込むことがあります。放置すると腐って臭くなるため、食事の後はやさしくうがいをして汚れを洗い流しましょう。また、歯ブラシで抜歯部位を強くこすると、傷付いて細菌感染を引き起こすリスクがあります。細菌の繁殖や膿の発生は口臭の原因にもなるため、抜歯後は毛先がやわらかい歯ブラシでやさしく磨きましょう。抜歯後の感染予防には、処方された抗生剤を指示通りに内服することも重要です。
- 親知らず抜歯後の口臭に効果的なケア用品があれば教えてください。
- 親知らず抜歯後の口臭対策には、口腔内の清潔保持が重要です。抜歯後は痛みや出血などへの不安から磨き残しが増えやすいため、毛先がソフトな歯ブラシを使用するとよいでしょう。抜歯部位を強くこすらないよう注意しつつ、周囲の歯はしっかり磨くことが大切です。鏡を見ながら磨くのをおすすめします。また、口臭予防にはマウスウォッシュによるうがいも有効です。アルコールタイプは傷口への刺激が強いため、ノンアルコールタイプを選ぶとよいでしょう。口腔内で細菌が繁殖するのを防いでくれます。
編集部まとめ
親知らずによる口臭の原因は、磨き残しによる口腔内の汚れやむし歯、歯周病などです。
一番奥に生える親知らずは歯ブラシが届きにくく、むし歯が発生しやすい部位です。
斜めや横向きに生えた親知らずは特に磨き残しが出やすいため、定期的に歯医者さんでクリーニングしてもらうことをおすすめします。
また、親知らずの抜歯後も一時的に口臭がきつくなる場合があります。
毛先がやわらかい歯ブラシやマウスウォッシュなどをうまく活用し、口腔内を清潔に保ちましょう。
抜歯後しばらく経っても口臭がきつい場合は、細菌感染や歯周病を引き起こしている可能性があります。心当たりのある方は早めに病院を受診してください。
参考文献