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再発性アフタ性口内炎はお口の中が痛い?原因や症状、治療法などを解説します

再発性アフタ性口内炎はお口の中が痛い?原因や症状、治療法などを解説します

お口の中に突然現れる痛みや炎症、食事や歯磨きがしみてつらい経験をしたことはありませんか?それは”再発性アフタ性口内炎”が原因かもしれません。 本記事では再発性アフタ性口内炎によるお口の中の痛みについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 再発性アフタ性口内炎の概要
  • 再発性アフタ性口内炎の症状と分類
  • 再発性アフタ性口内炎の診断と治療・予防

再発性アフタ性口内炎によるお口の中の痛みについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

再発性アフタ性口内炎の概要

再発性アフタ性口内炎の概要

再発性アフタ性口内炎はお口の中が痛いですか?
再発性アフタ性口内炎は、お口の中に痛みを伴う炎症を引き起こします。この口内炎は痛みや灼熱感から始まり、1〜2日後に特徴的なアフタが現れます。 アフタは小さな円形や楕円形で、中心部が黄色がかった灰色、周囲が赤色をしています。触れるだけでも鋭い痛みがあり、食べ物や歯ブラシの軽い刺激でも症状が悪化することがあります。また、辛い食べ物や熱い飲み物が染みることもあります。

痛みは数日〜1週間程度続きますが、10日以内に自然に治癒し、傷跡が残ることは少ないようです。大きな潰瘍の場合、治癒に数週間かかり、跡が残ることもあります。

重症の場合は、発熱や頸部リンパ節の腫れ、全身の疲労感を伴うこともあります。患者さんには刺激を避ける食生活や、口腔内の環境を清潔に保つケアがすすめられます。

再発性アフタ性口内炎とはどのような疾患ですか?
再発性アフタ性口内炎は、口腔粘膜に定期的または不定期に浅い潰瘍(アフタ)が繰り返し発生する疾患です。潰瘍は円形や楕円形で、直径数ミリ程度の大きさです。潰瘍の表面は白色や灰白色の膜で覆われ、周囲は赤く炎症を起こしており、触れると強い痛みを伴います。

主に唇や舌、頬の粘膜部分に発生しやすく、辛い食べ物や熱い飲み物がしみることがあります。 再発性アフタ性口内炎は、全人口の20〜60%が経験し、20〜30歳代の女性に多く見られます。一方で、ベーチェット病の一部として現れる場合もあり、この場合は治療が難しいとされています。さらに、症状が重い場合には専門の医師の受診が必要です。

再発性アフタ性口内炎の原因を教えてください
再発性アフタ性口内炎の原因は明確には解明されていませんが、いくつかの要因が誘因として挙げられています。遺伝的要因や、口腔内の外傷、喫煙、過労、胃腸障害、偏った食生活、ビタミン不足が関与することがあります。また、細菌やウイルスの感染、アレルギー、内分泌の異常、免疫系の異常なども原因として考えられています。

これらの要因が単独で影響する場合もあれば、複数が組み合わさることで発症する場合もあります。

再発性アフタ性口内炎とベーチェット病の関係を教えてください
再発性アフタ性口内炎とベーチェット病には深い関連があります。 ベーチェット病は、原因不明の炎症性疾患で、主症状の一つとして口腔粘膜に再発性アフタ性潰瘍が現れます。これらの潰瘍は、唇、頬、舌などの粘膜に発生し、痛みを伴う特徴的な症状です。再発性アフタ性口内炎自体は一般的な疾患ですが、ベーチェット病の場合はより難治性であり、潰瘍が広範囲にわたることがあります。ベーチェット病では、口腔潰瘍のほかに外陰部潰瘍、皮膚症状、眼病変が見られ、これらの症状が組み合わさることで診断されます。

なかでも口腔潰瘍は、ベーチェット病のほぼ全例で認められ、発症初期の症状として現れることがよくあります。患者さんの早期診断と適切な治療は、失明や重篤な障害を防ぐうえで重要です。

再発性アフタ性口内炎の症状と分類

再発性アフタ性口内炎の症状と分類

小アフタ性潰瘍について教えてください
小アフタ性潰瘍は、再発性アフタ性口内炎のなかで特によくあるタイプであり、全体の約85%を占めています。この潰瘍は口腔内のやわらかい組織、例えば唇の内側、頬の内側、舌、口底、軟口蓋、咽頭などに発生します。発症前には1〜2日間の疼痛や灼熱感が感じられ、その後、直径2〜8mmの小さな潰瘍が突然現れます。この潰瘍は円形または楕円形で、中心部は灰黄色の偽膜で覆われ、赤い辺縁がやや隆起しています。潰瘍の痛みは4〜7日間続きますが、10日以内に自然に治癒し、瘢痕が残ることはありません。

小アフタ性潰瘍は1年に2〜4回再発するとされますが、場合によっては治癒する前に新たな潰瘍が出現することもあります。

患者さんには、刺激性の食べ物や口腔内へのダメージを避けることが症状緩和に役立つとされています。

大アフタ性潰瘍について教えてください
大アフタ性潰瘍は、再発性アフタ性口内炎のなかで10%程度を占める重篤なタイプの潰瘍です。思春期以降に発症することが多く、小アフタ性潰瘍よりも深刻な症状を伴います。前駆症状として、強い疼痛や灼熱感があり、潰瘍自体は深く、直径1cmを超えることがあります。

この潰瘍は数週間から数ヵ月にわたって持続し、治癒までの期間が長く、瘢痕が残ることも特徴です。口唇や軟口蓋、喉に多く発生し、発熱や嚥下困難、全身倦怠感を伴う場合があります。

さらに、重症例では頸部リンパ節の腫れが見られることもあり、生活に大きな支障をきたす場合があります。 患者さんには、専門の医師による適切な治療が重要です。生活の質を向上させるため、早期診断と治療が推奨されます。

ヘルペス様アフタ性潰瘍について教えてください
ヘルペス様アフタ性潰瘍は、再発性アフタ性口内炎の一種で、全症例の約5%を占めます。その名のとおりヘルペスに似た症状を示しますが、ヘルペスウイルスとの関連性はありません。この潰瘍は、直径1〜3mmの小さな有痛性の潰瘍が多数発生し、紅斑を基底として現れます。しばしばこれらの潰瘍が癒合して大きな潰瘍を形成することもあります。

発症前には痛みや灼熱感などの前駆症状が見られますが、水疱は形成されません。潰瘍は浅く、中心部が灰黄色で、周囲が赤く炎症を伴っています。

症状は約2週間続き、痛みが強いため、患者さんにとって不快な状態が続きますが、瘢痕を残さず自然に治癒することがほとんどです。 この潰瘍は主に口腔内のやわらかい組織に発生し、適切なケアにより症状の軽減が期待されます。

再発性アフタ性口内炎の診断と治療・予防

再発性アフタ性口内炎の診断と治療・予防

再発性アフタ性口内炎はどのように診断されますか?
再発性アフタ性口内炎の診断は、主に視診と問診による臨床症状の確認によって行われます。潰瘍の形状や分布、発症の頻度、症状の経過などを詳細に確認し、特徴的な症状に基づいて判断します。疱疹状潰瘍型の場合、ヘルペス性口内炎との鑑別が必要であり、ヘルペス性口内炎では発熱や首のリンパ節の腫れが見られるため、これが区別のポイントとなります。

また、長期間治らない場合や潰瘍が大きい場合には、自己免疫疾患や悪性腫瘍の可能性を排除するため、病理組織学的検査や血液検査を行うことがあります。

さらに、ベーチェット病やほかの疾患が疑われる場合には、それに関連する検査を追加で実施します。患者さんには、1〜2週間以上症状が続く場合や強い痛みがある場合には、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることがすすめられます。

再発性アフタ性口内炎の治療法を教えてください
再発性アフタ性口内炎の治療は主に対症療法で、痛みの緩和や症状の軽減を目的としています。 軽度の場合、麻酔薬や保護被膜を含む洗口液、軟膏が使用されます。アルコールを含む洗口液は刺激を与える可能性があるため避けるべきです。
また、潰瘍が少ない場合には、副腎皮質ステロイド薬を軟膏として直接塗布する方法が有効とされています。
重症例では、プレドニゾンなどの内服薬が処方されることもありますが、医師の指示にしたがって使用する必要があります。ほかには低出力レーザーや硝酸銀を用いた化学焼灼も選択肢です。さらに、非ステロイド性抗炎症薬やビタミン剤が補助的に用いられます。症状が重い場合には、免疫抑制薬や専門的治療が必要なこともあります。 患者さんは、口腔内の清潔を保ち、刺激を避けることが重要です。
再発性アフタ性口内炎の予防法を教えてください
再発性アフタ性口内炎の予防には、口腔内を清潔に保つことが重要です。食事中に粘膜を噛んだり、硬い食べ物で傷つけないよう注意しましょう。 また、疲労やストレスが原因となる場合が多い傾向にあるため、十分な睡眠を確保し、リラックスできる環境を整えることが大切です。栄養面では、ビタミンB群(特にB2、B6、B12)の不足が再発性アフタ性口内炎のリスク因子とされており、サプリメントの補充が有効とされる場合もあります。

なかでもビタミンB2はレバーやうなぎ、納豆に多く含まれ、粘膜を保護します。 また、ビタミンB6はマグロやカツオ、バナナに含まれ、粘膜の健康維持に役立ちます。さらに鉄分不足も予防の妨げになるため、レバーやほうれん草などを取り入れるとよいでしょう。
患者さんには、喫煙を避け、規則正しい生活習慣を心がけることが推奨されます。 これらを実践することで再発リスクを軽減できるとされています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで再発性アフタ性口内炎によるお口の中の痛みについてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • 再発性アフタ性口内炎は、口腔粘膜に繰り返し発生する痛みを伴う浅い潰瘍で、原因は不明だが生活習慣や栄養不足が影響し、ときにベーチェット病とも関連する
  • 再発性アフタ性口内炎は小アフタ、大アフタ、ヘルペス様アフタの3種類に分類され、症状の重さや潰瘍の大きさにより異なる特徴を持つ
  • 再発性アフタ性口内炎は視診や問診で診断され、治療は対症療法が中心で、予防には口腔内の清潔や栄養バランスのよい食事が重要である

再発性アフタ性口内炎は誰にでも起こりうる身近なトラブルですが、正しい知識とケアを行うことで症状を軽減し、再発を防ぐことができます。

つらい痛みが続くときは無理せず医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。 これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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