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顎が外れたら何科を受診すればいい?病院での治療法や手術が検討される場合について解説!

顎が外れたら何科を受診すればいい?病院での治療法や手術が検討される場合について解説!

顎が外れたときの適切な対応について、多くの人が不安や疑問を抱えています。本記事では、以下の点を中心に顎が外れた際の症状や原因、治療方法から手術の可能性まで、解説します。顎の健康を守るための知識を身につけ、いざという時の対応に備えましょう。

  • 顎が外れた状態とは
  • 顎が外れた場合の受診科
  • 顎が外れた場合の対処法

顎が外れた場合は何科に行くのか理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

顎が外れた状態について

顎が外れた状態について

顎が外れたとはどのような状態ですか?
顎が外れた状態とは、医学的には顎関節脱臼を指します。顎を構成する下顎骨の一部である下顎頭が、通常収まっている頭蓋骨の下顎窩から外れてしまいます。

この脱臼はお口を広く開けた際に起こりやすく、顎頭が前方へ移動して適切な位置に戻らなくなります。

お口が正常に閉じられなくなり、話すことや飲食が困難になることがあります。また、顎の周囲の筋肉が異常な緊張状態になるため、顎や顔に痛みを感じることも多い傾向です。このような顎関節脱臼は、片側だけでなく両側に起こることもあります。

顎が外れる原因は何ですか?
顎が外れる、すなわち顎関節脱臼は、さまざまな要因によって引き起こされます。多いとされる原因は、大きくお口を開ける状況、例えば大きなあくびや歯科治療中にお口を長時間開けている際に発生します。

顎周囲の筋肉が過度に緊張し、顎が正常な位置からずれることがあります。

外傷や打撲も顎脱臼の一因で、事故や衝撃により顎に強い力が加わると、顎が外れることがあり骨折を伴うこともあるため、注意が必要です。

また、日常生活の習慣、例えば猫背や頬杖をつく習慣が頻繁にある場合も顎の位置に影響を与え、脱臼を引き起こすことがあります。さらに、噛み合わせの不調和が顎の動きを妨げ、顎関節脱臼を誘発することも考えられます。

顎関節そのものの問題も関係しており、例えば関節を構成する骨の変形や、関節円板の摩耗が原因で顎が正しく機能しなくなることがあります。

顎関節症はこれらの要因に加えて、炎症や筋肉、靭帯の問題によっても顎が外れやすくなり、生活の質を著しく低下させる恐れがあります。

顎が外れたときに考えられる病気を教えてください。
顎が外れる現象は、顎関節脱臼や顎関節症といった状態が考えられます。顎関節脱臼は、顎関節が本来の位置から動いてしまい、正常に動かせなくなることを指します。

あくびや硬い食べ物を噛む際に大きくお口を開けた時などに発生しやすく、顎がもとに戻らなくなり、痛みやお口が閉じられない状態になります。

一方、顎関節症は顎の関節自体に炎症やほかの障害が発生する疾患で、顎を動かす際に痛みが生じるか、異音がするなどの症状が表れます。顎関節の構造上の問題や、長時間にわたるストレスなどが原因で顎関節が正常に機能しなくなることで起こります。

顎が外れたと感じた際は、顎関節脱臼の可能性が高いため、迅速に医療機関を受診することが推奨されます。

顎が外れた場合の受診科

顎が外れた場合の受診科

顎が外れたら何科を受診したらいいですか?
顎が外れたと感じた場合、適切な治療を受けるために歯科口腔外科を受診しましょう。

症状が発生した際は、大きくお口を開ける動作で顎の関節が正常な位置からずれ、痛みや機能障害を引き起こすため、早急に診断と治療が必要です。

また、顎関節脱臼が発生した際には、すぐに治療を受けることが重要で、重篤な場合や夜間に発生した場合は、救急医療を提供する総合病院の救急科を受診することも選択肢となります。ただし、多くの場合、初診では歯科口腔外科が適切な対応を提供できるため、可能であれば医師による治療を受けることが望ましいです。

どのような治療をするのですか?
顎が外れた際の治療には主に口内法と口外法の二つのアプローチがあります。口内法では、医療提供者が患者さんの口内に手を入れて、顎の位置を直接調整します。

一方、口外法では、口の外から顎に圧力を加えて、顎を正しい位置に修正します。どちらの方法も、顎関節を正常な位置に戻すことを目的としており、通常は迅速に処置が行われ、顎の位置が改善します。

上記の治療法は、歯科口腔外科や整形外科で行われることが多く、いずれの方法も特別な機器を必要とせずに施術が可能です。治療は通常、痛みが少なく、短時間で完了するといわれているため、顎が外れた際には速やかに受診することが推奨されます。

手術が必要になる場合はありますか?
顎が外れやすい状態が繰り返される場合、固定治療だけでは効果が不十分で、手術が必要となることがあります。

手術の目的は、顎関節の安定を高め、再発を防ぐことです。

手術方法には大きく分けて二つのアプローチがあります。一つ目は、顎を動きにくくする手術で、頬骨突起形成法や障害物移植、埋入法、瘢痕硬縮法が含まれます。

二つ目は、顎が簡単に戻るようにする手術で、関節結節削除術や関節頭削除術が該当します。顎関節の一部を削除し、顎がスムーズに動かせるように改善し、顎が外れたときに容易にもとに戻せるようにします。

手術は、顎関節脱臼の重度の場合や繰り返し脱臼する患者さんに対して行われることが多く、手術により日常生活における不便や痛みを軽減し、生活の質を改善することが目指されます。それぞれの手術方法には異なる適応とリスクがあり、患者さんの状態に応じて選択されます。

顎が外れた場合の対処法

顎が外れた場合の対処法

顎が外れたら自分で治せますか?
顎が外れた際に自力で整復を試みる方法はリスクが伴いますが、緊急時には以下のステップで対処できます。

まず、左右どちらの顎が外れているかを確認します。外れた側の奥歯に対して、反対側の手の親指を置き、その手の残りの指で下顎を支えます。次に、親指で軽く下向きに押し、同時に顎を喉の方向へと押し込みます。顎がもとの位置にカクンとはまる場合があります。

この方法はあくまで一時的な対応であり、顎の位置が正常に戻ったとしても、その後のフォローアップが必須です。整復後はすぐに歯科口腔外科を訪れましょう。自己処理によるリスクとしては、不適切な力の加え方により症状を悪化させることがあるため、医師の診断と適切な治療を受けることが重要です。

日常生活で顎が外れないようにする予防方法はありますか?
顎が外れることを防ぐためには日常生活でいくつかの予防策を取ることが重要です。顎関節に負担をかけないように、以下のポイントに注意しましょう。
  • お口を大きく開ける動作を控える:あくびや広口をするときは、顎を手で支えるとよいです。
  • 姿勢を正しく保つ:正しい姿勢を保つことで顎にかかる不必要なストレスを減らせます。
  • 頬杖をつかない:頬杖をつく癖があると顎に偏った力が加わり、脱臼のリスクを高めます。
  • 片側噛みや歯ぎしりを避ける:常に同じ側で食べ物を噛むことや、無意識のうちに歯をくいしばる行動は顎関節に悪影響を与えます。
  • ストレス管理:精神的なストレスも顎の筋肉に影響を及ぼすため、リラックスできる時間を持つことが大切です。

予防策を心がけると、顎が外れるリスクを低減し、顎関節の健康を保つ助けとなります。万が一、顎が外れたときには落ち着いて適切な処置を行い、なるべく早く医師の診察を受けることが望ましいです。

歯列矯正をすると顎が外れにくくなりますか?
歯列矯正は、歯並びや噛み合わせの問題を解決し顎関節への負担を減らす働きがあるとされています。

噛み合わせが正しくなることで、顎関節脱臼のリスクを低減できるため、顎が外れる可能性も減少します。

主に不正咬合が原因で顎関節に過度のストレスがかかっている場合、歯列矯正治療によって咬合を整えることは大切です。顎関節の位置が正常に保たれ、顎が外れにくくなると考えられます。

歯列矯正治療にはワイヤー矯正や透明なマウスピースを使用した矯正など、さまざまな方法がありますが、それぞれの状況に応じた治療計画が立てられます。歯列矯正を通じて、顎の動きがスムーズになり、日常生活での不便や不快感が減少することも期待できます。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで顎が外れた場合は何科に行くのかについてお伝えしてきました。顎が外れた場合の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 顎が外れたとは顎関節脱臼を指し、下顎頭が頭蓋骨の下顎窩から外れる状態で、お口を広く開けた際に起こりやすく、顎や顔に痛みが生じ、話すことや飲食が困難になる状態
  • 顎が外れた場合は歯科口腔外科を受診し、早急な診断と治療を行う
  • 顎が外れた場合、自己整復はリスクが伴うため、応急処置後すぐに医師の診断を受けることが重要。予防策としてお口を大きく開ける動作を控え、姿勢を正しく保ち、頬杖を避け、ストレス管理を行う

顎が外れることは日常生活に多大な影響を及ぼしますが、適切な知識と対応策を身につけることで、リスクを減らし、万が一の際にも迅速に対処できます。顎の健康を守るために、予防策を実践し、問題が発生した際には速やかに受診することが重要です。
顎関節脱臼は熟練した医師または歯科口腔外科により治療されることが多いですが、一般の歯科医師でも治療は可能です。まずは近くの歯科医院を受診しましょう。
顎の問題に関する理解を深め、いざというときに備えましょう。

この記事の監修歯科医師
若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

若菜 康弘医師(若菜歯科医院院長)

鶴見大学歯学部大学院卒業 / 現在は若菜歯科医院の院長

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