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親知らず

親知らずが噛み合わせに影響する原因とは?親知らずのリスクなどについて解説

親知らず 噛み合わせ

親知らずが生えると、噛み合わせや日常生活に影響を及ぼすことがあります。正しい位置で生えれば問題は少ないですが、場合によっては歯並びを乱したり、痛みを伴ったりすることもあります。
本記事では、親知らずが噛み合わせに及ぼす影響について以下の点を中心にご紹介します!

  • 親知らずによる歯列への影響
  • 親知らずがもたらすリスク
  • 親知らず抜歯後のケア

親知らずが噛み合わせに及ぼす影響について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

親知らずとは

親知らずとは

親知らずとは、通常、第三大臼歯とも呼ばれる歯のことを指します。この歯は、通常の歯列の後ろに位置し、普段の咀嚼(そしゃく)や噛み砕く機能にはあまり関与しません。親知らずは、成人になる頃に生えてくることが一般的であり、口腔内の他の歯と異なった生え方をしたり、位置が異なったりすることが多いです。

親知らずが生える際に問題が生じることがあります。例えば、口腔内のスペース不足や歯列の配置によって、親知らずが適切に生えることが困難な場合があります。このような状況では、親知らずが斜めに生えたり、他の歯に圧迫されたりすることでさまざまな問題を引き起こす可能性があります。このような状態を「親知らずの埋伏」や「親知らずの半埋伏」といいます。

親知らずには抜歯するケースもあります。抜歯は、親知らずが周囲の歯や口腔組織に悪影響を及ぼす恐れがある場合や、痛みや腫れを引き起こす可能性がある場合に行われます。抜歯後は、適切なケアや経過観察が必要となります。

親知らずに関する問題は個人によって異なるため、定期的な歯科検診や専門家のアドバイスを受けることが重要です。口腔内の健康を保つためには、親知らずの状態や必要性を適切に評価し、適切な処置を行うことが重要です。口腔内全体の健康を維持するためには、親知らずに関する問題に早めに対処することが大切です。

親知らずによる歯列への影響

親知らずによる歯列への影響

親知らずが埋伏していると、歯磨きがしにくく、むし歯や歯周病になりやすいです。また、親知らずが横向きに生えていると、隣の歯を押して歯並びが悪くなったり、親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こしたりすることもあります。

噛み合わせ

親知らずが歯列に与える影響の一つは、噛み合わせに関連して重要です。親知らずが斜めに生えると、周囲の歯に圧力をかけて歯並びを乱し、噛み合わせが悪くなる可能性があります。この状態では、顎関節症や口内炎などの問題が引き起こされる恐れがあります。また、親知らずが横向きに生えると、周囲の歯を押して歯並びを変え、噛み合わせの不調和を引き起こすこともあります。その結果、片側だけで食事をするようになったり、顔の輪郭が変化したりする可能性があります。このような状況では、早めの処置が重要であり、歯科医師と相談して適切な対処法を見つけることが重要です。親知らずによる噛み合わせの影響は個人によって異なるため、定期的な歯科検診やレントゲン検査で親知らずの状態を確認し、必要に応じて適切な処置を行うことが大切です。

むし歯

親知らずが歯列に与える影響の一つは、むし歯の発生です。特に斜めに生えた親知らずは、周囲の歯を磨きにくくし、歯垢や食べカスがたまりやすくなります。この状況下では、歯垢が硬化して虫歯につながるリスクが高まります。さらに、親知らずが正常な位置にないと、歯ブラシやフロスで適切に清掃することが難しくなり、歯周病のリスクも増加します。親知らずによるむし歯の問題を解決するためには、定期的な歯科検診や専門家の助言を受けることが重要です。早期の処置や適切なケアを行うことで、むし歯やその他の合併症を予防することが可能です。親知らずによるむし歯は放置せず、適切な対策を講じることで口腔健康を維持することが大切です。

歯周病

親知らずが歯列に与える影響の一つは、歯周病の発生です。親知らずが存在すると、周囲の歯を適切に磨くことが難しくなり、歯垢や食べカスが溜まりやすくなります。この状況下では、歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなり、歯ぐきの炎症や出血、最終的には歯周ポケットの形成や歯槽骨の破壊などが起こる可能性があります。特に斜めに生えた親知らずは、周囲の歯との間に隙間を作り、そこに食べカスがたまりやすくなるため、歯周病リスクが高まります。親知らずによる歯周病を予防するためには、定期的な歯科検診や専門家のアドバイスを受けることが重要です。適切な口腔衛生管理やプロフェッショナルなクリーニングを行うことで、歯周病のリスクを低減し、口腔健康を維持できます。早めの処置や適切なケアを行うことで、親知らずによる歯周病の進行を防ぐことが重要です。

親知らずがもたらすリスク

親知らずがもたらすリスク

親知らずの対処にはどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。抜歯した場合と抜歯しない場合に分けて、それぞれのリスクについて解説します。

抜くリスク

親知らずを抜く際には、以下のリスクがあります。

  • 痛みや腫れ:抜歯後は、痛みや腫れ、出血などの症状が出ることがあります。通常は数日〜1週間程度で治まりますが、個人差があります。
  • 感染症:抜歯後は、口腔内が不衛生な状態になると、感染症を引き起こす可能性があります。
  • 神経損傷:親知らずの根っこが下歯槽神経と呼ばれる神経に近接している場合、抜歯時に神経を傷つけてしまう可能性があります。これが原因で、唇や舌の痺れや麻痺などの症状が現れることがあります。
  • ドライソケット:抜歯後の歯茎の穴が血餅で塞がれずに、空洞になってしまう状態です。痛みや感染症を引き起こす可能性があります。
  • 上顎洞穿通:上顎の親知らずを抜歯する場合、上顎洞と呼ばれる鼻の空洞に穴を開けてしまう可能性があります。鼻血や鼻詰まりなどの症状が現れることがあります。

親知らずを抜くべきかどうかは、親知らずの状態や患者さんの全身状態などを考慮して、抜くべきかどうかを判断することが重要です。

  • 親知らずの状態:まっすぐに生えていて、問題なく噛み合っている場合は、抜歯の必要はありません。しかし、斜めに生えていたり、埋伏していたり、むし歯や歯周病になっている場合は、抜歯を検討する必要があります。
  • 患者さんの年齢や全身状態:高齢者や、心臓病や糖尿病などの持病がある場合は、抜歯のリスクが高くなります。
  • 患者さんの希望:将来的に歯列矯正を希望している場合は、親知らずを抜歯する必要があります。

抜かないリスク

親知らずを抜かないリスクについて解説します。親知らずは、適切に生えない場合や周囲の歯や組織に影響を及ぼす可能性があります。親知らずを抜かないことによるリスクは以下の点に注意が必要です。

  • 歯周病や炎症のリスク:親知らずが十分に生えず、歯茎に部分的に被ったままとなると、歯周病や歯肉炎のリスクが高まります。不潔な状態が続くことで、歯周組織の炎症や感染が起こる可能性があります。
  • 隣接する歯への影響:親知らずが斜めに生えたり、他の歯に圧迫を与えたりすることで、隣接する歯に影響を及ぼす可能性があります。これは、歯並びや噛み合わせに問題を引き起こす可能性があります。
  • 困難な清掃とむし歯のリスク:親知らずは口腔内で清掃しにくい位置にあるため、十分なケアが難しい場合があります。清潔を保てないことでむし歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 根尖性炎や嚢胞の発生:親知らずが埋没したまま放置されると、根尖性炎や嚢胞(のうほう)などの合併症が発生する可能性があります。これらは重篤な感染や痛みを引き起こすことがあります。

共通して起こりうるリスク

抜歯後には、痛み、腫れ、出血などの症状が出ることがあります。これらの症状は、通常は数日で治まります。また、抜歯後に感染症が起こることもあります。感染症を防ぐために、抜歯後は歯科医の指示に従って、口腔内を清潔に保つことが大切です。さらに、抜歯後にドライソケット(抜歯窩の乾燥)が起こることもあります。ドライソケットは、抜歯窩の底が乾燥して、痛みや出血を引き起こす症状です。ドライソケットを防ぐために、抜歯後は氷嚢などで患部を冷やし、口腔内を湿らせることが大切です。

抜歯後のケアについて

抜歯後のケアについて

親知らず抜歯後はどのようなケアをするのでしょうか。抜歯部位の腫れや痛みが生じることがありますが、処方された薬を適切に使用し、冷却や温熱療法を行うことで症状を和らげます。また、食事は柔らかいものから始め、抜歯部位を傷つけないように注意し、口内衛生にも特に気を配りましょう。定期的な歯科医院のフォローアップや指示に従い、適切なケアを行うことが大切です。

抗生物質の服用

抗生物質の服用は、親知らずの抜歯後の重要なケアの一つです。抗生物質は、抜歯部位の感染を予防し、適切な治癒を促す役割を果たします。抗生物質は歯科医師から処方されるため、指示通りに服用することが重要です。通常、抗生物質は処方された期間内に規則正しく服用し、途中で中止しないようにします。特に感染リスクが高い初期の段階では、抗生物質の影響力を引き出すために欠かさず服用することが必要です。

抗生物質の服用方法についても注意が必要です。痛み止めと異なり、抗生物質は痛みが出始めた時ではなく、手術後直ぐに服用するように指示されます。また、処方された全量を飲み切ることが肝要です。抗生物質は感染を防ぐために必要であり、途中で服用を中止すると感染リスクが高まる可能性があります。そのため、医師の指示通りに完全に服用することが重要です。

必要以上に触らない

親知らず抜歯後のケアにおいて、「必要以上に触らない」ことが重要です。手術後の傷口や治癒を促進するために、以下のポイントに留意しましょう。

  • 傷口の保護:抜歯後は傷口を保護するため、必要以上に触らないようにしましょう。口の中を清潔に保つことが大切です。
  • 適切な食事:抜歯後は柔らかくて食べやすい食事を摂ることが良いです。硬い食べ物や小さな食べかすが傷口に入らないように気をつけましょう。
  • 処方された薬の服用:医師から処方された薬(抗生物質など)は指示通りに服用しましょう。これは感染予防や痛みの軽減に役立ちます。
  • 定期的な検診:抜歯後の経過を確認するため、定期的な歯科検診を受けることが重要です。医師の指示に従いましょう。

親知らず抜歯後は、適切なケアを行うことで合併症や感染症のリスクを軽減し、早期の回復を促します。自己判断せず、医師の指示に従いながら丁寧なケアを心掛けましょう。

食事について

食事について

親知らずを抜歯する際、食事についてはどのような点に注意を払えばよいのでしょうか。抜歯前、抜歯後の食事について以下に解説します。

抜歯前

親知らず抜歯の前には、バランスの良い食事を心がけましょう。抜歯後は、出血や腫れが起こる可能性があるため、抜歯前に栄養をしっかりと摂っておくことが大切です。
具体的には、以下のようなものを意識して食事をしましょう。

  • タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品など
  • ビタミン・ミネラル:野菜、果物、海藻類など
  • 炭水化物:ご飯、パン、麺類など

また、抜歯の1〜2時間前は、食事を控えましょう。抜歯後は、麻酔の影響で吐き気が起こる可能性があるためです。
さらに、抜歯前は、十分な睡眠をとり、喫煙を控えましょう。睡眠不足や喫煙は、抜歯後の回復を遅らせる可能性があります。

抜歯後

親知らず抜歯後は、出血や腫れが起こる可能性があるため、刺激の少ない食事を心がけましょう。固いものや熱いものを食べると、抜歯部位が傷つき、出血や腫れが悪化する可能性があります。また、喫煙も血行を悪くし、出血や腫れを悪化させる可能性があるため、抜歯後は避けましょう。
具体的には、以下のようなものがおすすめです。

  • スープやみそ汁などの汁物
  • おかゆや雑炊などのおかゆ類
  • ゆで卵やゆで野菜などのゆで物
  • ヨーグルトやプリンなどの乳製品
  • フルーツやゼリーなどの果物類

また、抜歯後2〜3日間は、抜歯部位を刺激しないように、固いものや熱いものは避けましょう。

まとめ

まとめ

ここまで親知らずが噛み合わせに及ぼす影響についてお伝えしてきました。 親知らずが噛み合わせに及ぼす影響の要点をまとめると以下の通りです。

  • 親知らずは噛み合わせやむし歯、歯周病などを引き起こす原因となり得る
  • 親知らずの抜歯には痛みや腫れ、感染症、神経損傷などのリスクがある。抜歯しない場合、歯周病やむし歯のリスクがある
  • 親知らず抜歯後は抗生物質を正しく服用し、必要以上に触らないようにする。食事内容にも注意する

親知らずの抜歯については、適切なタイミングについて歯科医師と相談し、メリットとデメリットを検討した上で適切な治療方針を決定することが重要です。親知らずの抜去は慎重に行われる必要があり、個々のケースに応じた選択肢を見極めることが大切です。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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