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親知らずの抜歯当日の流れや過ごし方は?歯後の食事・生活の注意点も解説

親知らず 抜歯 当日

親知らずが生えてくると痛みが出たり、食事が摂れなかったりなどの影響があります。親知らずによる痛みが現れた場合には、歯科医院を受診し適切な治療を受けましょう。

親知らずの名前の由来は、親に知られることなく生えてくる歯であると言われています。そのため、10代後半から20代前半に生えてくることが多いです。

本記事では、親知らずの抜歯当日の流れや過ごし方を解説します。また、抜歯後の食事・生活の注意点も解説していきます。

親知らず抜歯前の注意点

医療スタッフの説明

親知らずの抜歯前の注意点を教えてください。
親知らずを抜くことは手術の1つです。そのため、体調を整えて臨むことがとても大切です。抜歯の際には局所麻酔を使用します。局所麻酔をするリスクは、人によってショック状態に陥る可能性があることです。
薬剤の使用による影響が現れることを考え、前日はしっかりと睡眠をとり体調を万全に整えておきましょう。また、毎晩の飲酒が習慣となっている方もいるかもしれませんが、抜歯前日はアルコールの摂取は控えた方がよいです。アルコールは寝つきをよくする一方で、眠りが浅くなったり中途覚醒したりなど睡眠の質を下げてしまいます。抜歯前日は飲酒を控え、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。
激しい運動・入浴・飲酒・喫煙は血行を促進する効果があるため、親知らずの抜歯前は避けた方がよいです。血行が促進されると抜歯後の止血に時間を要する場合があります。また、喫煙は血液循環に影響を与え、傷口の治癒が悪くなります。抜歯前から治療が終了するまで喫煙は避けた方がよいでしょう。
持病で薬を飲んでいる場合は事前に医師に相談した方がよいですか?
内服薬や既往歴がある場合には事前に歯科医師へ相談しておきましょう。特に抗凝固剤などの血液をサラサラにする薬を内服している場合は注意が必要です。なぜなら血液が凝固しづらく、止血までに時間を要するからです。
また、抜歯時に使用する局所麻酔には、アドレナリンという物質が含まれています。アドレナリンは高血圧や心臓病のある方に使用すると、血圧上昇や動悸などを引き起こす可能性があるため注意が必要な薬剤です。
高血圧や心臓病の既往があり内服をしている方は歯科医師へ伝えておきましょう。これらの薬だけでなく、持病で薬を内服している場合には、歯科医師へ薬の内容を伝えておきましょう。

親知らず抜歯当日の流れと食事

親知らず抜歯当日の流れを教えてください。
抜歯後は数時間食事を取ることができません。そのため、空腹で抜歯に臨むことは避けた方がよいでしょう。抜歯をする2時間前までに食事は済ませ、しっかり歯を磨いて受診するようにしましょう。
親知らずを抜く前にまずは歯科医師が、当日の健康状態をチェックします。問診・顔色・血圧などから当日の健康状態をチェックし、抜歯が可能かどうかの判断がされます。このとき、不安なことがあれば歯科医師へ伝えておきましょう。
抜歯が可能であれば麻酔をし、親知らずが抜歯されます。抜歯後は出血があるためしばらく止血が必要です。ガーゼや綿球をぐっと噛み締め圧迫止血を行います。止血が完了し、健康状態に変化がなければ終了です。
終了後は歯科医師や歯科衛生士から抜歯後の注意点について説明があります。その際に、不安なことやわからないことは確認しておくようにしましょう。
抜歯後いつから食事ができますか?
麻酔が効いたまま食事をすると、頬の内側や唇を噛んでしまう可能性があります。そのため、麻酔の効果が消失したことを確認する必要があります。一般的に麻酔の効果が消失するのは抜歯後2〜3時間程です。抜歯後2〜3時間程経過したら一度水分を摂取し、むせることなく飲むことができるか・冷たさを感じるか・違和感がないかを確認しましょう。
普段通りの飲み込みができれば食事をしても問題ありません。むせたり違和感があったりした場合はもう少し時間を置きましょう。食事の際は傷口に食べカスが入らないように注意しましょう。食べかすが傷口に入ると腫れや炎症を引き起こす可能性があります。そのため食事の際は、抜歯した側と反対の歯で噛むようにして、傷口に食べカスが入るのを予防してください。
抜歯後に避けた方がよい食べ物・飲み物はありますか?
抜歯後は硬いもの・刺激の強いもの・粘着性のあるものや、アルコールの摂取は避けた方がよいです。具体的にはおせんべいやクッキー・カレーなどのスパイスを使用した料理・お餅・ガムなどです。
硬いものや刺激の強いものは、傷口に痛みや腫れを引き起こす可能性があります。また粘着性のあるものは、傷口のかさぶたを剥がしてしまう恐れがあり、再出血のリスクが高まります。アルコールも血行を促進し、再出血リスクを高めるため避けた方がよいでしょう。抜歯後の食事は飲み込みやすいものにするとよいでしょう。やわらかく噛む回数が少ない食べ物を選ぶとよいです。
具体的にはお粥・スープ・豆腐・ヨーグルト・ゼリーなどがおすすめです。しかし、ゼリーはパウチ型の吸うものは避けましょう。強く吸い込むことで、傷口のかさぶたが剥がれ再出血につながる可能性があります。

親知らず抜歯当日の流れや注意点

セルフケア

親知らず抜歯後の生活での注意点を教えてください。
食後はしっかりと歯磨きをし、口腔内を清潔にすることも感染対策の1つです。傷口の近くは歯磨きをするのが怖いと感じますが、注意して歯磨きをしていきます。このときブラシを傷口に当てないことと、強くうがいをしないよう注意しましょう。
傷口にブラシがあたることで痛みを感じます。また、強くうがいをすると傷口のかさぶたが剥がれて出血する可能性があります。抜歯後1週間程度は優しく歯磨き・うがいをするよう注意しましょう。抜歯後は激しい運動やアルコールの摂取といった血行が促進されることは避けた方がよいです。
血行がよくなることで抜歯部の傷口から再び出血することがあるからです。しっかりと傷口が塞がるまでは、激しい運動やアルコールの摂取を避け、ゆったりと過ごすようにするとよいでしょう。
親知らずの抜歯後は運動しても大丈夫ですか?
抜歯後は激しい運動は避けた方がよいです。運動により血行がよくなることで、傷口から出血するリスクが高まります。家事などの日常動作に制限はありませんが、激しい運動は避けた方がよいでしょう。
数日間出血がなく、傷口が塞がっているようであれば、少しずつ運動を再開していってもよいです。運動により再び出血した場合にはガーゼやティッシュを噛み締め圧迫止血をし、止まらないようであれば歯科医院へ連絡しましょう。
入浴はいつからできますか?
入浴することで全身の血流がよくなり、傷口から出血することがあるかもしれません。抜歯当日は入浴は控え、軽くシャワーを浴びる程度にしましょう。出血や腫れによる痛みが強くなければ翌日から入浴は可能ですが、数日間は長風呂は避けた方がよいです。

抜歯後痛みや腫れの対処法

歯に異変を感じる

親知らず抜歯後に出血した場合の対処法を教えてください。
親知らずの抜歯後は、血流がよくなることや食事や歯磨きの刺激などで傷口が傷つき、再出血する場合があります。万が一再出血してしまったときは、圧迫止血を行いましょう。清潔なティッシュやガーゼを丸めて抜歯した部分にあて、上下の歯でぐっと噛み締めるようにします。
血が止まるまで強く噛み締めておきます。持病があり、血液をサラサラにする薬などを内服している方は、少し長めに圧迫止血を行うようにしましょう。圧迫時間が短いと、再度出血することがあるので、10~15分程度を目安にしっかりと止血を行います。それでも出血が続く場合には歯科医院に連絡しましょう。
抜歯後に腫れがある場合の対処法はありますか?
抜歯後は抜歯した部位が腫れることがあります。抜歯にかかった時間が長かったり、骨を削る量が多かったりすると炎症反応が起こり腫れが起こりやすいです。必ずしも腫れるわけではありません。腫れがある場合にはできる限り触らないことが大切です。
傷口を舌で触らないよう注意しましょう。また、抜歯後は抗生物質が処方されることがあります。抗生物質は感染予防や化膿・腫れを防ぐことなどを目的としています。抗生物質は処方された期間はしっかりと内服し、飲み忘れに注意しましょう。
痛みがある場合はどうすればよいですか?
抜歯をしてから2〜3時間程で麻酔の効果が消失します。そのため、抜歯した部位に痛みが生じることがあります。痛みがあれば我慢せず処方された痛み止めを内服しましょう。痛み止めは薬の種類にもよりますが、4~6時間程度感覚を空けて内服するようにしましょう。
痛みは抜歯当日から数日間は強く感じることがあります。痛みは徐々に引いていくため、痛みのある時は痛み止めで対処しましょう。また、痛み止めを内服しても痛みが緩和されない場合や、痛み止めを使う頻度が高い場合には、抜歯した歯科医院へ相談し診察を依頼するようにしてください。

編集部まとめ

歯磨き

痛い・怖いといったイメージのある親知らずの抜歯ですが、事前に抜歯当日の流れや抜歯後の注意点を知っておけば落ち着いて治療をすることができるでしょう。

親知らずによる痛みがあれば、おいしく食事を取ることが難しく、痛みで辛い思いをすることがあるかもしれません。

親知らずの抜歯当日の流れを確認し、抜歯後の食事や生活に注意することで痛みや腫れが悪化することを防ぎましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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