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親知らず抜歯後のドライソケット|抜歯の後は要注意!ドライソケットについて徹底解説

親知らず抜歯後のドライソケット|抜歯の後は要注意!ドライソケットについて徹底解説

親知らずを抜歯した後に強い痛みが続くことはありませんか?抜歯後に適切なケアができていないと、血餅が剥がれて骨が露出し、痛みを引き起こすドライソケットが発生する場合があります。本記事ではドライソケットについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 親知らずの抜歯とドライソケットの関係
  • ドライソケットの治療方法
  • 親知らずを抜歯した後の正しいケア方法

ドライソケットについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

ドライソケットについて

ドライソケットについて

親知らずの抜歯後に強い痛みが続くことがありますが、それはドライソケットかもしれません。では、ドライソケットとは何で、どのような対処が必要なのでしょうか?

ドライソケットとは

ドライソケットとは、抜歯後に起こる合併症の一つで、歯を抜いた後の穴(ソケット)に血餅(けっぺい、かさぶたのようなもの)が形成されず、骨が露出してしまう状態を指します。
血餅はソケットを覆い、傷口の保護や治癒を助けますが、ドライソケットでは血餅が何らかの原因で取れてしまい、強い痛みを引き起こします。
ドライソケットを発症した場合は、ただちに歯科医を受診し、適切な処置を受けることが大切です。

ドライソケットの原因

ドライソケットの原因は、抜歯後にできるはずの血餅が形成されないか、形成されても剥がれてしまうことにあります。これにはいくつかの要因が関与しています。

まず、主な原因となるのはうがいのしすぎです。抜歯後、血餅は自然に形成されるまで時間がかかり、初期の段階ではとても脆いため、強いうがいを頻繁に行うと簡単に血餅が流れてしまいます。結果として治癒が遅れ、ドライソケットの発症リスクを高めます。

次に、喫煙も要因の一つです。喫煙は血流が悪くなるため、抜歯後に十分な出血が起こらず、血餅が形成されにくくなります。また、喫煙による口腔内の乾燥も影響し、治癒を妨げます。

さらに、抜歯後に傷口を舌や指で触ることも血餅を剥がす原因となります。抜歯後の患部が気になり、無意識のうちに触ってしまうことで血餅が崩れ、治癒が阻害されることがあります。

加えて、運動や長風呂、アルコール摂取によって血行が過度に促進されると、出血が続きやすくなり、血餅が形成されるまでの過程に影響を与える場合があります。

ほかにも、免疫力の低下など全身的な健康状態も影響するとされています。感染リスクが高い状態にある場合、血餅の形成や治癒過程に悪影響を与える可能性があるため、抜歯後の健康管理が重要です。

ドライソケットの症状

ドライソケットの主な症状は、抜歯から数日経っても痛みが強く続くことです。また、お口のなかに嫌な臭いが発生するケースもあり、傷口が乾燥して見えることがあります。従来の痛み止めが効きにくい場合が多く、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

ドライソケットを放置するリスク

ドライソケットを放置すると、強い痛みが長引くだけでなく、傷口が治りにくくなる可能性があります。また、感染のリスクも高まり、炎症が周囲の組織に広がることもあります。

炎症が進行すると、周囲の骨や歯茎にダメージを与え、治療期間が長引くことも挙げられます。さらに、細菌が血液中に入り、全身に悪影響を及ぼす恐れもあるため、早期の対応が必要です。

ドライソケットが疑われる場合は、自己判断で放置せず、すぐに歯科医に相談し、適切な処置を受けることが重要です。

親知らずの抜歯とドライソケットの関係

親知らずの抜歯とドライソケットの関係

親知らずの抜歯後に起こりうる偶発症の一つが、ドライソケットです。親知らずの抜歯は位置が奥深く、抜歯後の傷口が大きくなりやすいため、ドライソケットのリスクが高くなります。

また、ドライソケット以外の偶発症に術後感染があります。術後感染は、抜歯後の穴(抜歯窩)に入り込んだ細菌が引き起こす感染症です。ドライソケットと術後感染は単体だけでなく、同時に発症することがあります。

抜歯後に数日程経過してからズキズキとした激しい痛みが出る場合は、通常の治癒過程ではなく、ドライソケットなどの偶発症が疑われます。痛みが弱まらず、長期間続いたり、飲食時に刺激を感じたりする際も同様です。

親知らずの抜歯後に痛みが強まったり、腫れや発熱などの症状が出た場合は、自己判断せず、すぐに担当医に相談しましょう。早期の対応が重症化を防ぐ鍵となります。

ドライソケットの治療方法

ドライソケットの治療方法

親知らずの抜歯後に強い痛みが続くドライソケットはどのように治療されるのでしょうか?以下では、ドライソケットの具体的な治療方法を詳しく解説します。

歯科医院を受診すべき目安

抜歯後1~3日程経ってから強い痛みが続く場合は、ドライソケットが疑われます。治療せずに放置すると、痛みが悪化し、治癒に時間がかかることがあるため、早めの受診が重要です。

ドライソケットの痛みが長引く場合や、市販の鎮痛剤で痛みが治まらない場合も、早急に歯科医院を受診するのが推奨されます。適切な治療を受ければ、痛みが軽減し、早期の回復が期待できます。

抗生剤や鎮痛剤を使用する

ドライソケットの治療方法には、まず抗生剤や鎮痛剤の使用が挙げられます。抗生剤を投与することで感染を防ぐ効果が期待できるため、患部が悪化しないように行われます。

一方、痛みが強い場合には鎮痛剤を使用して、患者さんの痛みを和らげます。鎮痛剤は症状に応じて処方され、数日間にわたり使用する場合が多いようです。
鎮痛剤に加えて、口腔内の清潔を保つことが重要で、定期的なうがいや、処方された薬の服用が推奨されます。

再掻爬を行う

ドライソケットが発生した場合、治療の一つとして、再掻爬(さいそうは)が行われます。再掻爬とは、ドライソケットの原因となっている部分の表面を再び掻き取り、出血を促して新たな血餅を形成させる方法です。

再掻爬により、治癒が進みやすくなり、痛みが緩和されることが期待されます。再掻爬後には、鎮痛剤や抗生物質が処方されることが多く、感染症の予防や痛みの軽減が図られます。治療後も痛みが続く場合は、歯科医に相談し、適切なケアを受けることが大切です。

軟膏を塗る

ドライソケットに対して行われる治療方法の一つに、軟膏を塗布する方法もあります。軟膏は、傷口を保護し、痛みを和らげるために使用されます。ドライソケットの治療に用いられる軟膏には、鎮痛作用や抗炎症作用のある成分が含まれていることが多く、炎症を抑えつつ、回復を助けます。

また、軟膏の塗布は、歯科医が行う場合と、処方された軟膏を自宅でケアする場合がありますが、いずれにしても専門医の指導にしたがって適切に行うことが大切です。ドライソケットは自然治癒が難しいため、早めの受診と適切な処置が重要です。

ドライソケットの予防方法

ドライソケットの予防方法

ドライソケットはどのように予防できるのでしょうか?痛みを避けるために、正しい予防方法を知っておくことが大切です。

極度のうがいを控える

ドライソケットは、抜歯後に血餅が剥がれてしまい、骨が露出して痛みを伴う状態です。その予防のためには、極度のうがいを控えることが重要です。

抜歯後は、傷口を保護する血餅が形成されますが、強いうがいや何度もうがいを繰り返すと、この血餅が流れてしまうことがあります。血餅が失われると、傷口が直接外気に触れることで炎症や痛みが発生しやすくなるため、うがいは控えめにしましょう。

抜歯直後の24時間は特に注意が必要で、軽く水を含んで静かに吐き出す程度に留めることが理想的です。また、食後のケアにもうがいは必要ですが、やさしく行うよう心がけましょう。

飲酒を控える

飲酒を控えることも、ドライソケットの予防につながります。飲酒をすると血行が良くなり、血圧が上がるため、抜歯後の血餅が流れてしまうリスクが高まります。その結果、ドライソケットが発生しやすくなるため、飲酒は避けるべき行動の一つです。

抜歯後の回復をスムーズに進めるためにも、飲酒は少なくとも数日間控えることが推奨されます。また、飲酒だけではなく、激しい運動や長時間の入浴も血流が増えるため、これらも控えましょう。

硬いものを食べない

硬い食べ物は噛む際に強い力がかかり、抜歯部位に刺激を与えて血餅が剥がれてしまう可能性があります。ドライソケットを予防するためにも、抜歯後の数日はやわらかい食べ物や液状の食事を選ぶことが推奨されます。

さらに、抜歯後の食事中に無意識に強く噛んでしまうこともあるため、食べ物の硬さだけでなく、食事全体に注意が必要です。例えば、パンやお肉なども硬い場合があり、避けるのが無難です。

傷口を触らない

ドライソケットを予防するためには、抜歯後の傷口を触らないことがとても重要です。抜歯後の傷口に形成される血餅を指や舌で触ったり、頻繁にうがいをしたりすると、血餅が剥がれやすくなり、ドライソケットが発生するリスクが高まります。

抜歯後は傷口が気になることがありますが、傷口に触れることで細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性もあるため、意識的に触らないように注意しましょう。また、食事中も硬い食べ物を避け、抜歯した部分に負担がかからないよう心がけることが大切です。

親知らずを抜歯した後の正しいケア方法

親知らずを抜歯した後の正しいケア方法

親知らずを抜歯した後、どのようにケアすれば早く治癒し、トラブルを防げるのでしょうか?抜歯後の適切なケア方法を詳しく解説します。

過度な刺激を与えない

親知らずを抜歯した後のケアでは、抜歯箇所に過度な刺激を与えないことが重要です。傷口に直接触れることで、縫合した糸が取れてしまうリスクがあります。出血が起こる可能性もあるため、傷口に刺激は与えないように注意しましょう。

うがいも軽く行い、強く洗い流すことは避けるべきです。強いうがいをすると血餅が剥がれてしまい、治癒に悪影響を与えることがあります。さらに、硬い食べ物や辛いもの、熱い飲み物は控え、やわらかい食事を選ぶことで傷口への刺激を抑えられます。

ケアのポイントは、患部にできるだけ負担をかけないことです。異常を感じた場合や傷つけてしまったと感じた場合は、早めに歯科医に相談するのが大切です。

医師の指示に従って薬を服用する

親知らずを抜歯した後の正しいケアとして、医師の指示に従い処方された薬を適切に服用するのが大切です。抗生物質は感染症を防ぐために処方されるため、指示された期間中、飲みきるようにしましょう。途中で服用をやめると、細菌が残り、感染のリスクが高まることがあります。

また、痛み止めも重要です。抜歯後の痛みを和らげるため、医師が処方した痛み止めを適切に使うことで、快適な回復をサポートできます。痛みが強い場合や、薬が効かないと感じた際には、無理せず早めに歯科医に相談しましょう。

抜歯後は医師の指示を守り、薬を正しく服用すれば、治癒がスムーズに進むことが期待できます。

抜歯した部分を触らない

抜歯後の傷口は大変デリケートな状態で、細菌が入り込むリスクが高くなっています。指や舌で触ってしまうと、感染の原因となり、治癒が遅れる恐れがあります。

また、傷口を触ることで血餅が剥がれることがあり、出血の再発や痛みを引き起こす原因にもなります。抜歯後の約24時間はしっかりと傷口を守り、抜歯した部分に直接触れないよう気をつけましょう。

適切な口腔ケアも欠かせませんが、抜歯直後は激しくうがいをするのも避ける必要があります。軽くお口をゆすぐ程度にとどめ、歯磨きも傷口を避けながら優しく行うことが推奨されます。

抜歯直後の食事は控える

親知らずを抜歯した直後の食事には、十分な注意が必要です。麻酔がまだ効いている約2〜3時間は、しびれた状態で思うように食事ができず、お口の中を噛んでしまったり、火傷や誤飲などのリスクが高まります。

麻酔が切れた後も、すぐに普通の食事に戻るのではなく、ゼリーやおかゆなどのやわらかい流動食から始め、徐々に固形物を摂取するようにしましょう。また、辛いものやアルコールは、刺激が強いため傷口からの出血を再び引き起こす恐れがあるため避けるべきです。

痛みを感じたら冷やす

抜歯後に腫れや痛みが発生した場合は、症状を和らげるためには患部を冷やすことが推奨されます。抜歯直後の約1〜2日間は氷嚢や冷えたタオルを使って頬の外側から冷やすと、腫れや痛みの軽減につながるでしょう。

ただし、冷やしすぎには注意し、20分程度冷やしたら少し時間をおいてから再度行うようにしましょう。また、強い痛みを感じた場合は、無理をせずに鎮痛剤を使用するのも有効です。
痛みや腫れが続いたり、ほかの異常を感じた場合は、早めに歯科医に相談するのが大切です。

まとめ

まとめ

ここまでドライソケットについてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • 親知らずの抜歯後に起こることがあるドライソケットは、傷口への刺激などが原因で血餅が剥がれてしまい、骨が露出して痛みを引き起こす状態である
  • ドライソケットの治療方法は、歯科医院で消毒や鎮痛処置を行い、必要に応じて薬を塗布し、症状を緩和させる
  • 親知らずを抜歯した後は、強いうがいや刺激を避け、指示にしたがって口腔内を清潔に保つことなどが正しいケア方法とされる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正 / 一般歯科全般もOK

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