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埋まってる親知らずでも放置は危険!?放置するリスクから抜歯後の注意点まで解説

埋まってる親知らずでも放置は危険!?放置するリスクから抜歯後の注意点まで解説

親知らずが埋まったまま放置すると、あらゆるリスクを伴う可能性があります。 感染症のリスクや隣接する歯への影響、さらには慢性的な痛みの原因ともなり得るため、親知らずの状態を見逃さず、適切な対応が重要です。 本記事では、埋まってる親知らずについて以下の通り解説します。

  • 埋まってる親知らずを放置するリスク
  • 埋まってる親知らずの抜歯は必要なのか
  • 埋まっている親知らずを場合の流れと抜歯後の注意点

埋まってる親知らずについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

埋まってる親知らずを放置するリスク

埋まってる親知らずを放置するリスク

埋まってる親知らずを放置するとむし歯や歯周病になりやすいですか?
親知らずが埋まっている場合、むし歯や歯周病になりやすいといわれています。これは、親知らずが奥に位置するため、日常の歯磨きでは清掃が難しく、磨き残しが発生しやすいからです。
特に、親知らずが横向きや斜めに生えていると、隣の歯との隙間に食べ物の残りかすが挟まりやすく、プラークが蓄積しやすくなります。このような状況はむし歯だけでなく、歯周病の原因にもなり得ます。
また、奥歯は視認しにくいため、問題があっても発見が遅れがちで、治療が必要な状態になって初めて気づくことも少なくありません。 したがって、親知らずの丁寧な歯磨きや、定期的な歯科医院でのクリーニングが重要です。
埋まってる親知らずを放置すると口臭が強くなることがありますか?
親知らずが埋まっていると、口臭が強くなる可能性があります。 その主な理由は、奥歯が歯磨きしにくい位置にあるため、食べ物の残りかすが磨き残されやすく、細菌の増殖を促して口臭の原因となるからです。
さらに、親知らず周辺の歯茎が炎症を起こすと、膿が発生することもあり、これが特有の悪臭を放つことがあります。 このように、親知らずが原因で口内環境が不衛生になると、口臭の問題が顕著になるため、適切なケアが求められます。
埋まってる親知らずを放置することによって歯並びが悪くなる恐れはありますか?
埋まっている親知らずが歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。 特に顎が小さい場合、親知らずが正常に生えるスペースが足りないため、親知らずが生える際隣の歯を圧迫し、全体の歯並びを乱すことがあります。
歯は、支えがなければ口の先端方向に傾いたり、移動しようとします。これを「ゴードンの法則」といいます。生えるスペースの足りなかった親知らずは、前にある第二大臼歯を圧迫し、歯列全体が侵され、歯並びが悪くなります。 歯並びの矯正を行う際にも、親知らずが圧迫の原因となっている場合、抜歯が推奨されます。 したがって、親知らずを放置すると、矯正治療後にも歯並びが元に戻るリスクがあるため、適切な対応が必要です。
埋まってる親知らずを放置すると歯茎に炎症が起きやすくなりますか?
埋まっている親知らずを放置すると、歯茎に炎症が起きやすくなります。特に、親知らずが横向きや斜めに生えていると、隣の歯を圧迫し、腫れや痛みを伴うことがあります。
また、親知らずが完全には生えきらずに部分的に露出している場合、食べ物の残りが歯と歯茎の間に挟まりやすく、これが細菌の温床となります。 この状態を「下顎智歯歯周炎」と呼び、放置すると歯茎が腫れたり、膿が出たりすることもあります。
さらに、親知らずが歯肉に部分的に覆われている場合、その隙間にも食べかすが溜まり、炎症が生じやすくなります。 これらの理由から、親知らずの丁寧なケアと、必要に応じて抜歯が推奨されます。

埋まってる親知らずの抜歯は必要なのか

埋まってる親知らずの抜歯は必要なのか

骨の中に埋まっていても抜歯が必要ないケースについて教えてください
骨の中に完全に埋まっていてほかの歯に影響を与えていない親知らずは、抜歯する必要がない可能性があります。 また、矯正治療を考慮していない場合、正常に位置していて適切に清掃ができている親知らずも抜歯の必要がないことがあります。
ただし、将来的に歯を失った際には、親知らずを義歯の支えとして利用できる可能性もあるため、定期的な検診とともに状態を確認することが重要です。
どのようなケースだと抜歯が必要になりますか?
親知らずの抜歯が必要になるケースはいくつかありますが、特に、親知らずがほかの歯に影響を及ぼしている場合や、歯肉炎や歯周炎などの口内炎症を引き起こしている状況では抜歯が推奨されます。
また、親知らずが水平または斜めに埋伏していて隣の歯を圧迫することで、痛みや腫れを引き起こす智歯周囲炎の原因になる場合も抜歯が必要です。
さらに、親知らずが原因で顎の痛みや顎関節症の症状を示す場合も、抜歯が考慮されることがあります。 ただし、親知らずがまっすぐに生えており、清潔に保たれていて痛みや腫れがない場合には、抜歯の必要はありません。 将来的にほかの歯が失われた場合に親知らずを義歯やブリッジの支えとして利用できるため、定期的な検診を受けることが大切です。

埋まっている親知らずを場合の流れと抜歯後の注意点

埋まっている親知らずを場合の流れと抜歯後の注意点

どのような手順で抜歯が行われますか?
親知らずの抜歯は、次のような手順で行われます。
  1. 抗生剤の内服:強い炎症がある場合、抜歯前に抗生剤を服用し、感染リスクを減らします。
  2. レントゲン撮影:親知らずの位置、角度、大きさを確認し、抜歯計画を立てます。
  3. 麻酔:抜歯部位に局所麻酔を施し、痛みを感じないようにします。
  4. 歯茎の切開:親知らずが埋まっている部分の歯茎を切開します。
  5. 親知らずの分割:大きい親知らずや不規則に生えている場合、小さく分割して抜歯しやすくします。
  6. 親知らずの摘出と縫合:分割した親知らずを摘出後、開けた部分を縫合し、傷の治癒を促します。
  7. 抜糸:後日、歯科医院で抜糸と抜歯後の状態の確認を行います。

これらの手順を通じて、親知らずの抜歯が行われます。

親知らずの抜歯にはどのくらい時間がかかりますか?
親知らずの抜歯にかかる時間は、位置や状態によって異なります。 主な抜歯の所要時間は以下の通りです。
  • 緩んだ歯や乳歯:5分程度
  • 健康な歯の矯正治療のための抜歯:5~10分程度
  • 上顎の親知らず(表面に露出している場合):5~10分程度
  • むし歯で損傷が激しい歯:10~15分程度
  • 下顎の埋まっている親知らず:15~40分程度
  • 上顎の水平に埋まっている親知らず:20~30分程度

親知らずが横向きに生えていて骨の中に深く埋まっている場合は、より時間がかかるため、さらに30分~1時間以上かかることもあります。 抜歯後は縫合が必要な場合もあり、治療終了までにはさらに時間が必要です。 また、抜歯が困難な場合は専門的な治療が必要となることもあるため、事前の診断が重要です。

親知らずを抜歯した後に気を付けた方がいいことはありますか?
親知らずを抜歯した後は、以下の点に注意しましょう。

圧迫止血の実施:
抜歯直後は、傷口からの出血を抑えるために圧迫止血が必要です。ガーゼを咬んで傷口を圧迫し、歯科医師の指示に従ってください。 出血が30分以上続く場合は、歯科医師に連絡してください。

痛みの管理:
麻酔が切れた後、痛みが出始めることがあるため、痛みを感じたら、処方された痛み止めを使用しましょう。 痛みが3日以上続く場合は、再度歯科医師に相談してください。

喫煙、飲酒、激しい運動の制限:
喫煙や飲酒、激しい運動は血行を促進し、傷の治癒を遅らせる可能性があるため、抜歯後は避けることが推奨されます。

傷口に触れないようにする:
傷口や縫合部を触ると感染しやすいため、触らないよう心掛けてください。

これらの注意点を守ることで、親知らずの抜歯後の回復がスムーズになります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで埋まってる親知らずについてお伝えしてきました。 埋まってる親知らずについて、要点をまとめると以下の通りです。

  • 埋まっている親知らずを放置すると、むし歯や歯周病、口臭、歯並び、歯茎に影響を与える可能性があるため、日常的なケアや、必要に応じて抜歯が重要
  • ほかの歯に影響を及ぼす場合、歯肉炎・歯周炎を引き起こしている場合、親知らずが痛みや腫れの原因になっている場合、顎の痛みを引き起こしている場合は抜歯が必要になる
  • 親知らずの抜歯は、抗生剤の内服、レントゲン撮影、局所麻酔、歯茎の切開、親知らずの分割と摘出、そして縫合と抜糸の手順で行われる。抜歯後は圧迫止血、痛み管理、喫煙や飲酒の制限、傷口への触れないことが重要

親知らずの抜歯にはさまざまなリスクが伴いますが、適切な対応と日々の管理を怠らなければ問題を未然に防ぐことにつながります。
この記事で紹介した内容が、埋まっている親知らずのリスク理解と対策の参考になれば幸いです。 正しい知識と適切な処置で、お口の健康を守りましょう。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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