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親知らず

親知らずが生える前兆はある?生える前兆やケア方法、抜歯すべきケースなどを解説

親知らずが生える前兆はある?生える前兆やケア方法、抜歯すべきケースなどを解説

親知らずがいつ生えてくるのか、その生える前兆を知りたいという方はいませんか?
この記事では、親知らずが生える前兆に現れる症状のほか、そもそもなぜ親知らずが生えてくるのか、なかなか生えてこない場合に何か対応が必要なのかなど、親知らずについて詳しく解説していきます。

親知らずとは

親知らずとは

親知らずは、第三大臼歯が正式な名称で、大臼歯とよばれる大人の奥歯のなかでも一番奥にある歯を指します。
一般的に、子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)への生え変わりは、親知らずを除いて15歳前後で完了します。一方で、親知らずは10代後半から20代前半にかけて生えてくる歯で、昔は子どもが元服して成人として扱われる年齢が16歳であったことから、親元を離れ、親が知らない時期に生えてくる歯とうい意味で親知らずと呼ばれるようになりました。
英語では親知らずが物事の分別がつく年齢に生えてくる歯という点から、賢さや知恵を意味するWisdoomという言葉が使われ、Wisdoom Toothと呼ばれるため、これを日本語に訳して智歯という呼び方をされることもあります。

親知らずの役割

親知らずは、人という種族が狩猟や木の実の採取などによって生活していた時代には、木の実や穀物、動物の生肉といった硬い食材を食べるために必要な歯でした。
硬い食材をしっかりと磨り潰して食べることで、食事から必要な栄養素を獲得できるようにしていたのです。
しかし、現代では親知らずが必要になるような硬い食事はなく、そのため親知らずは生えていても生えていなくても、特に生活に不便がある歯ではなくなり、特に役割のない歯となってしまっています。
また、硬い食材を食べる機会が多かった時代では、顎の骨がしっかりと発達しやすいことから親知らずが正常に生えてくるスペースも確保されやすかったのに対し、現代ではそこまで硬い食材を食べる機会も少なく、顎がしっかりと発達していかないため、親知らずが生えてくるためのスペースが不十分となります。その結果、親知らずが生えてきてしまうとほかの歯を圧迫するなどのトラブルにつながり、むしろ現代では親知らずは抜いた方がよい歯になってきているのが現状です。

親知らずが遅れて生える場合もある?

親知らずが生えてくる年齢は、10代後半から20代前半頃が多い歯です。
しかし、実は30代や40代、なかには50代といったような年齢になってから生えてくることもあり、生えてくる年齢が人によって大幅に異なるという特徴があります。
何歳で生えてきたとしても、親知らずの生え方や歯並びによっては抜歯が必要となりますが、30代以降などある程度の年齢を迎えてしまうと、歯と骨の癒着により抜歯が大がかりになりやすかったり、自然回復力の低下によって腫れや痛みが長引いてしまいやすいといった理由から、抜歯をするなら20代までにやってしまった方がよいともいわれます。

なお、人によっては親知らずが生涯にわたって生えてこないケースもありますし、そもそもはじめから親知らずがないという方もいます。
また、生えてきても特に問題にはならないケースもありますので、抜歯をした方がよいかどうかは、歯科医師とよく相談して検討する必要があります。

親知らずが生えているかどうかの確認方法

親知らずが生えているかどうかは、目視またはレントゲンで確認を行います。
親知らずは一番前にある、中切歯と呼ばれる歯から数えて、8番目に生えてくる歯です。鏡などでお口のなかを確認し、8番目の場所に歯が生えていれば、親知らずが生えているということになります。

しかし、親知らずはほかの歯と同じようにまっすぐ生えてくるケースが少なく、斜めや横向きに生えてきやすいことから、目視でははっきりと確認できない場合もあります。
8番目の歯がある箇所に、小さく白い塊のようなものが見えるのであれば、親知らずが斜めに生えてきている状態かもしれません。
この生え方をしている場合、歯磨きによるケアなどが行いにくいことから、むし歯や歯周病のリスクが高くなってしまうというデメリットがあります。
また、親知らずが完全に横向きに生えてきている場合は、歯茎から露出せずに生えているため、目視で見えない可能性もあります。この場合はレントゲンで確認しないと親知らずの有無を確認できず、親知らずが伸びてくるにしたがって第二大臼歯が圧迫されるなどして、腫れや痛みが生じるトラブルにつながりやすいといえます。

親知らずが生える前兆

親知らずが生える前兆

親知らずが生える前兆として、気になる症状や痛み、実際に生えてきた場合の適切なケア方法について解説します。

親知らずが生える前に起こる症状

親知らずが生えてくるとき、その生え方によっても状況は異なりますが、奥歯がムズムズするような感覚になったり、歯茎が内側から押されるような痛みを感じることがあります。
これは成長してきた親知らずによって奥歯や歯茎が内側から押されているためで、通常時は特に痛みなどを感じなくても、食べものや歯ブラシが奥歯部分に当たると痛みが出るというようなケースもあります。
また、見た目では、前歯から数えて7番目の歯(第二大臼歯)の後ろにある歯茎に膨らみができたり、歯茎が白っぽく透けるように見えるといった変化が現れるケースもあります。

親知らずが生えるときの痛みについて

親知らずが生えてくるときの状態は人によっても異なりますが、多くの場合で痛みや腫れが生じます。
親知らずが生えてくるときの痛みは、神経や周辺組織の圧迫によるものや、むし歯などのトラブルによる痛み、そして歯茎を噛んでしまうことなどが要因です。

神経や周辺組織の圧迫については、新しく歯が生えてくることによって、歯の周辺の神経や組織が圧迫されて痛みが出てくるものであって、親知らずがほかの歯と同じように、まっすぐ生えてきた場合でも生じる可能性のある痛みです。
ただし、まっすぐ生えてきた場合は時間経過とともに痛みも軽減しやすく、痛みの程度もそこまで強くならないケースが多いといえます。
一方で、親知らずが斜めや横向きに生えてきた場合、周辺組織の圧迫が解消されないままの状態が持続してしまうため、痛みもずっと続いてしまう可能性があります。また、生えてきた親知らずによって奥歯が押されるなどして、歯並びが悪化していくリスクも伴います。

むし歯などのトラブルによる痛みについては、親知らずではない歯でも当然出現する可能性がある痛みです。しかし、親知らずが斜めに生えてきている場合は特にしっかりと歯磨きをしにくくなるため、こうしたトラブルの痛みも特に現れやすくなるといえます。

歯茎を噛んでしまうことによる痛みについては、親知らずが生えてくるときは、親知らず周辺の歯茎が押されていくため盛り上がりができやすく、そこを無自覚に噛んでしまうことなどによって生じるものです。
腫れ方によっては通常の咀嚼などでも歯茎を噛んでしまい、痛みが続きやすいといえます。

親知らずが生えてきたときのケア方法

親知らずが生えてきたとき、特に痛みなどの問題がなければ、すんなり親知らずが生えている状態ですので、何か特別なケアをする必要はありません。神経の圧迫などによって多少の違和感が生じることはありますが、時間経過とともにこうした違和感や痛みも収まります。
一方で、強い痛みがある場合には、患部を冷やしたり、鎮痛剤を服用するといった対応で、痛みを抑えるとよいでしょう。
ただし、こうした方法はあくまでも対症療法として痛みを軽減しているだけなので、早めに歯科医院を受診して、原因である親知らずに対して適切な処置を行う必要があります。

また、親知らずによる痛みがある場合もそうでない場合も、親知らずが生えてきたらいつも以上に丁寧に歯磨きを行うことを心がけましょう。親知らずが生えてくると、奥歯に隙間が増えて歯ブラシが隅々まで届きにくくなるため、食べ残しの蓄積が起こりやすくなります。むし歯や歯周病といったトラブルを防ぐためにも、より丁寧な歯ブラシや、うがい薬を利用するといったケアを取り入れるようにしましょう。

親知らずは抜歯すべき?

親知らずは抜歯すべき?

親知らずは、いつか抜歯した方がよいものと考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、親知らずは状況によっては抜歯の必要がない場合があり、残しておくことでほかの歯が悪くなったときに利用できる可能性もあります。
親知らずの抜歯が必要なケースや、抜歯によるメリット、デメリットなどをご紹介します

親知らずを抜歯しなくてもよいケース

親知らずが、ほかの歯と同じようにまっすぐに生えてきて、上下の歯でしっかりと噛むこともできるような場合については、特に抜歯を行う必要はありません。
むしろ、親知らずを残しておくことでしっかりと噛むことができたり、ほかの歯で抜歯が必要なトラブルが生じた際に、歯の移植による治療などを行うことが可能となります。
また、親知らずで食べものを噛むといった動作は行えなくても、生えてきた親知らずを残しておくことでのリスクが特にないのであれば、そのまま抜歯せずに放置しておいても問題ないと判断される場合もあります。

親知らずを抜歯すべきケース

親知らずによって歯茎やほかの歯が圧迫され、持続的な痛みが生じてしまっている場合や、歯を押してしまうことで歯並びへの悪影響が懸念されるような場合は、親知らずを抜歯した方がよいといえます。
薬などで痛みを一時的に和らげたとしても、親知らずを残したままにしておくと、痛みや将来的なリスクが残ってしまいますので、早く処置を行いましょう。

また、直接痛みや歯並びへの影響がない場合でも、斜めに生えてきた親知らずが、むし歯や歯周病の強いリスクを持っていると判断された場合は、やはり抜歯が推奨される可能性が高くなります。

抜歯すべき親知らずを放置するリスク

歯科医院で抜歯をするべきと判断された親知らずをそのまま抜かずに放置しておくと、物理的な圧迫による痛みが生じるほか、むし歯や歯周病のリスクが高まり、第二大臼歯が悪くなっていってしまう可能性があります。
特に、親知らずが生えてくるタイミングでは、親知らずの歯茎周辺に細菌が蓄積されて引き起こされる智歯周囲炎というものがあり、これが原因で腫れや痛みといったトラブルを生じさせることもあるため、抜歯が必要な歯については、早めに対応してしまうようにしましょう。

親知らずを抜くメリットとデメリット

親知らずは、その生え方によっては歯の痛みやむし歯などのリスクを高めるといった問題があるため、抜歯してしまうことでこうしたトラブルを予防できるという点がメリットです。
また、親知らずがそこまで問題のない生え方をしている場合でも、抜歯をすることで歯磨きが楽になるといったメリットがあります。

一方で、親知らずを抜くデメリットは、抜歯によって腫れや痛みといった副作用が一定期間生じるほか、親知らずの生え方によっては骨の内部の神経や血管を傷つけ、麻痺などの症状につながってしまう可能性がある点が挙げられます。
また、健康な生え方の親知らずであれば、ほかの歯が何かしらのトラブルで抜けてしまったときに移植して使用することができたり、ブリッジの土台として利用可能な可能性もあるため、抜歯によって将来的な治療の選択肢を減らしてしまうという点はデメリットです。

親知らずが生える前兆を感じたら

親知らずが生える前兆を感じたら

奥歯がムズムズとした感覚が続いていたり、親知らずが生える場所に腫れや痛みが出るといった、親知らずの生える前兆を感じたら、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
まず、歯科医院でレントゲンなどの検査を含めてしっかりと確認をすることで、それが親知らずによるものなのか、それともほかの歯のトラブルが原因なのかをきちんと調べ、必要に応じた適切な治療を受けることができます。
また、親知らずの生え方によっては、放置しておくとどんどん痛みが強くなっていってしまう場合もありますが、早めに歯科医院に相談すれば、強い痛みになる前に対応が可能です。

すでに親知らずが生えている場合

すでに親知らずが生えている場合

すでに親知らずが生えている方も、必要に応じて歯科医院を受診しましょう。

歯科医院を受診すべき症状

親知らずが生えている場所に痛みがあるというような場合や、親知らずが黒いなどむし歯が疑われるような場合は、一度歯科医院を受診して、生えている親知らずに問題がないかの専門的な診療を受けましょう。
その他にも、ほかの人から口臭を指摘された場合などでは、親知らずの周囲に汚れが蓄積して細菌が増殖してしまっているような可能性が考えられますので、歯科医院の受診をおすすめします。

歯科医院で親知らずを抜歯する際の注意点

親知らずは、歯の生え方などによっては簡単に抜歯が行えないケースもあります。親知らずと神経が近いなど、不用意に抜歯の治療を行うと、思わぬトラブルにつながるような難易度の高い親知らずもありますので、親知らずの抜歯は、検査機器が豊富に揃い、親知らずの抜歯に関する経験が豊富な医師に相談するとよいでしょう。
難症例の親知らずの抜歯については、口腔外科の診療経験を持つ歯科医師が専門的に取り扱っている分野であるため、口腔外科での診療経験や、日本口腔外科学会 口腔外科専門医の資格を持つ歯科医師に相談すると、安心感のある治療を受けやすいといえます。

まとめ

まとめ

親知らずは10代後半から20代前半頃に生えることが多いですが、30代以降でも生える可能性がある歯です。
生える前兆としては、奥歯がムズムズしたり、軽い痛みや腫れが現れるといったものがあり、こうした前兆を感じたら、なるべく早めに歯科医院で相談し、早期の適切な対応を受けるとよいでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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