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親知らずが真横の状態で生えてくる原因とは?抜歯の判断基準や放置するリスクを解説

親知らずが真横の状態で生えてくる原因とは?抜歯の判断基準や放置するリスクを解説

親知らずは正式名称を第三大臼歯と言い、上の左右奥に2本、下の左右奥に2本あります。ただし、親知らずの生え方には個人差があり、1〜3本しかない場合や、そもそも生えて無い場合もあります。また、歯茎に埋まってしまっている場合や、生えてくるスペースが無く、傾いてまっすぐ生えてこない場合など、様々なケースが見られるのが特徴です。
親知らずが真横の状態で生えてくることもあるでしょう。親知らずが真横になる原因や抜歯の必要性、放置したらどうなるのかなど、真横に生えた親知らずについて解説します。

真横の状態で生えてくる親知らずの抜歯判断について

真横の状態で生えてくる親知らずは、まっすぐに生えた親知らずに比べてむし歯や炎症のリスクが高くなります。そもそもどうして真横の状態になってしまうのか、抜歯するべきかなど、真横に生えた親知らずの抜歯判断について解説します。

真横から親知らずが生えてくる原因はなんですか?
親知らずが横向きに生えてくる主な原因は、顎の骨に十分なスペースがないことです。昔と比べて柔らかい食べ物を食べるようになった現代人は、咀嚼能力が低下して顎の骨が発達しにくくなったと考えられています。歯の大きさに対して顎の骨が発達していないため、親知らずが生えるスペースが不足してしまい、横向きに生えてきてしまうのです。
真横から生えてくる親知らずは抜歯すべきですか?
真横から生えてくる親知らずであっても、むし歯や炎症などを起こしていない場合は、必ずしも抜歯の必要はありません。しかし、真横から生えている親知らずの場合、多くは様々な問題を引き起こしてしまうため、抜歯をするのが一般的です。
抜歯の必要がない親知らずはありますか?
親知らずだからといって、すべてを抜く必要はありません。親知らずであっても、ほかの歯と同じように正常にまっすぐ生えており痛みがない場合や、奥歯が抜けておりブリッジの土台とする場合などは、抜歯をしなくても問題ありません。ほかの歯と噛み合せができていない場合でも、歯磨きなどのケアがきちんとできていれば、急いで抜歯を行わなくても良いでしょう。
親知らずを抜く適切な時期や年齢はありますか?
親知らずを抜く時期としては、20歳前後がベストタイミングだと言われています。一般的に、年齢を重ねるにつれて回復力は衰え、傷の治りが遅くなります。抜歯後の腫れや痛みも長引く傾向にありますので、親知らずを抜くのであればできるだけ早い時期に行うことをおすすめします。

真横の状態で生えてくる親知らずを放置するリスク

真横の状態で生えてくる親知らずを放置するリスク 真横の状態で生えてくる親知らずを放置してしまうと、様々な問題が起こる可能性があります。どのような悪影響があるのか、放置しても大丈夫な親知らずはあるのかを解説します。

親知らずを放置したら、どんな健康問題がありますか?
斜めや横向きに生えた親知らずを放置した場合、むし歯や智歯周囲炎、歯並び悪化のリスクがあります。 親知らずが斜めや横向きに生えてしまうと、隣接する歯と親知らずの間に食べかすが挟まりやすくなります。そのため歯垢が蓄積しやすく、親知らずや隣接する歯のむし歯リスクが高まります。
智歯周囲炎は、親知らず周りの歯肉に炎症が起こる病気のことです。歯と歯の間に詰まった細菌によって引き起こされる病気で、痛みや歯茎の腫れなどの症状が現れます。
また、親知らずが横向きに生えることで、隣接する歯である第二大臼歯に圧力がかかります。押され続けることで第二大臼歯はさらにその隣の歯にも影響を及ぼし、全体の歯並びが悪くなる可能性があります。
放置しても大丈夫な親知らずもありますか?
まっすぐに生えている親知らずなど、特にむし歯や炎症、ほかの歯への影響を与えていない場合は放置しても大丈夫です。ただし、まっすぐに生えていたとしても、親知らずは歯ブラシの毛先や歯間ブラシなどが入りにくいのが特徴です。ほかの歯と同じように綺麗にケアを行うのは難しいため、特に親知らずと隣り合う歯の間のむし歯には注意しましょう。

真横の状態で生えてくる親知らずの処置について

真横の状態で生えてくる親知らずの処置について 真横の状態で生えた親知らずは抜歯するのが一般的ですが、どのように抜歯するのでしょうか。真横に生えた親知らずの抜歯方法や、抜歯の際の痛みや注意点をご紹介します。

真横から生えてくる親知らずはどのように抜きますか?
横向きに生えた親知らずは、まっすぐに生えた親知らずよりも処置が複雑になる傾向にあります。
抜歯の際には、まずは局所麻酔の針を刺す痛みを軽減するための表面麻酔を行います。麻酔薬を浸した綿を、親知らずの周囲の歯茎に置いて数分間待ち、歯茎の感覚が鈍くなったら局所麻酔を行います。
歯茎を切開する際には慎重に行い、埋まっている場合は親知らずの頭部分を露出させます。
横向きに生えた親知らずはそのままでは抜けないため、親知らずの頭部と根の間を削って、歯冠と歯根に小さく分割するのです。その後、分割された親知らずを慎重に抜き取ります。
抜歯後はほぼ確実に出血しますが、出血は傷口の治癒過程において重要な役割を果たす血の塊である血餅を形成するために必要なものです。血餅が傷口から剥がれないよう、抜歯後は傷口を縫合します。その後は、患者がガーゼを噛む圧迫止血を行います。
親知らずを抜く際に、痛みは伴いますか?
親知らずを抜く際には、麻酔などによって痛みをほとんど感じないようにすることができます。抜歯の際には、手術前から痛み止めを内服、表面麻酔、局所麻酔、最小限の切開にすることで痛みを抑えることができます。
親知らずを抜いた後の痛みや状態について教えてください。
親知らずを抜いた後、麻酔が切れると徐々に痛みが出てきます。抜歯後およそ2〜3日が痛みのピークと言われています。痛みの感じ方や程度は人それぞれですが、痛みが酷い場合は、処方された痛み止めの薬を飲みましょう。抜歯をした箇所を外側から冷やすと少し痛みが和らぐことが多いようです。ただし、冷やしすぎは傷の治りを遅らせてしまうので注意しましょう。
抜歯後はおよそ1週間を目安に、次第に腫れや痛みが引いていきます。通常は抜歯して4〜5日程度で激しい痛みはなくなります。4〜5日経過しても強い痛みが続いている場合は、抜歯を行った歯科医院に相談しましょう。
親知らずを抜いた後の注意点について教えてください
親知らずを抜いた跡は傷口ができています。手術後はできるだけ刺激を与えないようにしましょう。 激しい運動、飲酒、熱い湯船に長時間つかるなど、血流が良くなる行為は避けましょう。血の巡りが良くなることで、傷口から出血してしまう可能性があります。また、傷の治りを遅らせないために、傷口にはあまり触れないことも重要です。舌や指、歯ブラシで触らないようにしましょう。頻繁かつ激しいうがいもしないようにしてください。抜歯後は傷の治りが悪くなるほか、細菌感染のリスクを高める可能性があるため、喫煙も控えましょう。

編集部まとめ

親知らずの生え方には個人差があります。まっすぐ生える親知らずであれば、特に抜歯を行う必要はありません。ただし、真横に生えてくる親知らずの場合は、むし歯や炎症、歯並びなどの問題が発生することが多いため、抜歯を行うのが一般的です。真横に向生えた親知らずの場合は、特に慎重に抜歯手術が行われます。抜歯の際には麻酔を使用するため、手術中の痛みはありませんが、術後数日間は痛みが起きることがあります。痛みを長引かせないためにも、抜歯後は傷口を刺激せず安静に過ごしましょう。痛みが長引くなど、気になる点がある場合は歯科医院に相談してください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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