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耳が痛い原因は顎関節症!?顎関節症と耳の痛みの関係性について詳しく解説

顎関節症 耳が痛い

顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉がうまく動かない状態のことです。顎関節症になると耳が痛くなる場合があります。
本記事では、顎関節症と耳の痛みの関係について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 顎関節症になると耳の痛みが生じる原因
  • 顎関節症で耳が痛いときの対処法
  • 顎関節症における日常生活の注意点

顎関節症による耳の痛みの対処法について理解するためにも、ご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

顎関節症と耳の痛みの関係

顎関節症と耳の痛みの関係

顎関節と耳にはどのような関係がありますか?
顎関節は顎の動きを司る関節で、私たちが話したり、食事をしたりする際に重要な役割を果たしています。
一方、耳は聴覚だけでなく、身体のバランスを保つ機能も持っています。顎関節と耳は、解剖学的近接性があります。顎関節は耳の穴の前に位置しているため、顎関節の不調が耳に影響を及ぼすことがあるのです。具体的には、顎を動かす際に顎関節が耳の組織に圧力をかけ、耳の痛みや不快感が生じます。
また、顎関節と耳には発生学的関連性もあり、顎関節や咀嚼筋、耳小骨、三半規管などは、発生学的に「鰓弓」と呼ばれる同じ組織から発生しています。
このため、顎関節の変形や不調が耳の組織に影響を及ぼすことがあります。
下顎骨と耳の関係性を教えてください
下顎骨は、顔の骨格の中で唯一動く骨であり、咀嚼や発話の動作に不可欠です。耳と下顎骨は解剖学的に近接しているため、下顎骨の位置や動きが耳に影響を及ぼすことがあります。
例えば、下顎骨が正常な位置からずれている場合、耳の圧迫感や痛み、ときには耳鳴りを引き起こすことがあります。これは、下顎骨の位置の変化が、耳の周辺の筋肉や神経に影響を与えるためです。また、下顎骨の動きが不均衡だと、耳の近くにある筋肉に過度の負担がかかり、耳の不快感や痛みを引き起こすこともあります。特に、ものを噛む動作や口を大きく開ける動作において、このような症状があらわれやすいとされています。
さらに、下顎骨の異常は顎関節症を引き起こすことがあり、これも耳の症状に影響を及ぼすことがあります。
顎関節症を発症すると耳が痛くなりますか?
顎関節症は、顎関節の機能障害や痛みを伴う状態を指し、多くの場合、顎の動きに関連する症状があらわれます。この症状は、顎を動かす際の痛みや違和感、顎の関節のクリック音などが含まれます。顎関節症になると、耳の穴の前に位置する顎関節内で、関節円板が本来の位置よりも前方にずれることがあります。これにより、口を開閉する際に下顎骨の下顎頭が関節円板を圧迫し、顎関節が変形するといわれていて、この変形が原因で顎関節のすぐそばにある耳に痛みが生じます。

顎関節症による耳の痛みは、食事中や大きく口を開けたときにズキッとしたり、うずくような痛みが生じたりすることがあり、顎関節症が進行すると口を開閉する際や咀嚼する際に耳の痛みを感じやすくなります。

また、顎関節症による耳鳴りは、顎関節に生じた歪みが顎関節周囲のリンパの流れを妨げることで発生するといわれています。これにより、「キーン」という高い金属音のような耳鳴りや、「ザーザー」という波音のような耳鳴りが起こることがあります。

さらに、顎関節症による耳の詰まりは、周囲の組織にあらわれた腫れやゆがみが外耳道を圧迫することで起こります。
耳鼻咽喉科関係の疾患がないにも関わらず、耳が詰まるという症状がある場合、顎関節症が原因となっている可能性があるので注意が必要です。

顎関節症になると生じる耳の痛みについて

顎関節症になると生じる耳の痛みについて

顎関節症になると咀嚼するときになぜ痛むのですか?
咀嚼は、顎関節と顎を動かす筋肉を頻繁に使う動作です。顎関節症の場合、この関節や筋肉が正常に機能しないため、咀嚼時に痛みや違和感が生じます。具体的には、以下のような理由が考えられます。

  • 関節の摩耗や損傷:顎関節症では、関節のクッションの役割を果たす軟骨が摩耗したり、関節自体が損傷を受けたりすることで顎の動きがスムーズでなくなり、咀嚼時に痛みを感じることがあります。
  • 筋肉の緊張:顎関節の異常は、顎を動かす筋肉に過度の緊張をもたらすことがあり、筋肉が常に緊張状態だと咀嚼時に痛みや疲労感を引き起こすことがあります。
  • 関節の位置の異常:顎関節症により顎の位置がずれ、この位置の異常が咀嚼時に不自然な圧力を関節にかけて痛みを引き起こすことがあります。
  • 関節の動きの制限:顎関節症では関節の動きが制限されることがあり、咀嚼時に顎が正常に動かないため痛みや不快感が生じることがあります。
大きく口を開けたときや、強く噛んだときに痛みは出やすいですか?
大きく口を開ける動作や強く噛む動作は、顎関節と顎を動かす筋肉に大きな負荷をかけます。顎関節症の場合、この関節や筋肉が正常に機能しないため、これらの動作時に痛みや違和感が生じやすくなるのです。
顎関節症になると、耳の痛み以外にどのような症状があらわれますか?
顎関節症になると、耳の痛み以外にも以下の症状があらわれることがあります。【顎の動きに関連する症状】

  • 顎を動かす際に痛みや違和感がある
  • 口を大きく開けることが困難である
  • 顎の関節でクリック音やポキポキという音がする
  • 顎の動きが制限される

【筋肉に関連する症状】

  • 顎周辺、顔面、首、肩の筋肉の緊張や痛みがある
  • 頭痛、特に側頭部に痛みが出ることが多い

【そのほかの症状】

  • 耳鳴りや聴覚に関する問題がある
  • 目の疲れや視力の問題がある
  • 咀嚼時の不快感や食事中の痛みがある
  • 睡眠障害があらわれる

顎関節症の症状は個人差が大きく、症状の種類や程度はさまざまであるといわれています。またこれらの症状は、ほかの病気との区別が難しいこともあるため、顎関節症を疑う場合は、医師による診断が重要です。

耳が痛いときの対処法

耳が痛いときの対処法

口を開けるときに痛みがある場合の対処法はありますか?
顎関節症で口を開ける際に痛みがある場合、以下のような対処法があります。対処法は、症状や個人の状態に応じて選択されます。

  • 温熱療法:温かいタオルやホットパックを顎関節の周辺に当てることで、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減できます。
  • 筋肉ストレッチやマッサージ:顎周辺の筋肉を優しくストレッチしたり、マッサージしたりすることで、筋肉の緊張を緩和し、痛みを和らげます。
  • 適切な咀嚼方法の習得:均等に咀嚼することや、硬い食べ物を避けることで、顎関節への負担を減らします。
  • ストレス管理:ストレスは顎関節症の症状を悪化させることがあるため、リラクゼーション技法や適切な睡眠、趣味などによるストレスの軽減が重要です。/li>
  • 薬物治療や物理療法:医師の指導のもと、痛みを和らげるための薬物治療が実施されることもあります。また、痛みの軽減や顎関節の機能改善のために、物理療法士による治療がなされる場合もあります。
耳の痛みがよくならない場合、どうしたらいいですか?
顎関節症に伴う耳の痛みが改善しない場合の対処法について、以下のステップをおすすめします。

  • 医師の診察を受ける:耳の痛みが続く場合は、耳鼻咽喉科の医師に相談することが重要です。耳鼻科医は、顎関節症が耳の痛みの原因であるかどうかを判断し、適切な治療法を提案できます。
  • 治療法の見直し:すでに治療を受けている場合は、その治療法の見直しを検討しましょう。治療法には個人差があるため、現在の治療で症状が改善されない場合は、ほかの治療法への変更が必要かもしれません。
  • 生活習慣の改善:ストレスの管理、適切な睡眠、バランスの取れた食事など、生活習慣の改善も症状の軽減に役立ちます。また、硬い食べ物を噛む、歯を食いしばるなどの、顎関節に負担をかけるような行動を避けることも重要です。

耳の痛みが改善しない場合は、自己判断せずに医師の診察を受けることが重要です。

日常生活で気をつけたほうがいいことはありますか?
顎関節症を発症した場合、日常生活の中で以下の注意点を守ることが、症状の軽減に役立ちます。

  • ストレスの管理:ストレスは顎関節症の症状を悪化させることがあります。リラクゼーション技法、趣味や運動などを通じてストレスを管理しましょう。
  • 適切な咀嚼方法の習得:均等に咀嚼すること、硬い食べ物を避けることで、顎関節への負担を減らします。
  • 歯の食いしばりや歯ぎしりの防止:無意識のうちに歯を食いしばったり、歯ぎしりをしたりしている場合は、これらの習慣を改善することが重要です。必要に応じてマウスピースの使用を検討しましょう。
  • 正しい姿勢の維持:長時間のデスクワークなどで前かがみの姿勢が続くと、首や肩の筋肉に負担がかかり、顎関節症の症状を悪化させることがあります。正しい姿勢を心がけましょう。
  • 適切な休息と睡眠:十分な休息と良質な睡眠は、全身の筋肉のリラックスに役立ち、顎関節症の症状の軽減につながります。
  • 口を大きく開ける動作を避ける:口を大きく開ける動作は顎関節に負担をかけるため、可能な限り避けるようにしましょう。

これらの日常生活での注意点を守ることで、顎関節症の症状の悪化を防ぐことにつながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、顎関節症と耳の痛みの関係についてお伝えしてきました。
顎関節症と耳の痛みの関係についての要点をまとめると、以下の通りです。

  • 顎関節症で耳の痛みが生じる原因は、顎関節と耳が解剖学的に近く、顎関節の異常が耳の周辺の筋肉や神経に影響を及ぼすためである
  • 顎関節症で耳が痛いときの対処法には、物理療法や痛みを和らげる薬物治療、ストレス管理、適切な咀嚼方法の習得などがある
  • 顎関節症になった場合、ストレスの管理や適切な咀嚼、歯の食いしばりや歯ぎしりの防止、正しい姿勢の維持、十分な睡眠などが重要である

これらの情報が、少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
熊谷 靖司歯科医師(熊谷歯科医院 院長)

熊谷 靖司歯科医師(熊谷歯科医院 院長)

1994年 鶴見大学歯学部 卒業 1994年 東京医科歯科大学歯学部 歯科補綴学第一講座入学(専攻生) 1996年 東京医科歯科大学歯学部歯科 歯科補綴学第一講座入学(医局員) 1997年4月 若林歯科医院(渋谷区) 就職 2000年9月 若林歯科医院 退職 2000年10月 熊谷歯科医院(中野区) 開業

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