「口が痛い」「口が開けにくい」「顎がカクカク音がする」などの症状は、顎関節症を引き起こしている可能性があります。顎関節症は、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことも。
本記事では、顎関節症の症状について以下の点を中心にご紹介します。
- 顎関節症の症状をチェックする方法
- 顎関節症の治療法
- 顎関節症の原因と予防
顎関節症の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
顎関節症の症状をチェックする方法
- 顎関節症の症状をチェックする方法を教えてください
- 顎関節症を自己診断するには、特定の症状に注意してみましょう。
例えば以下の症状がある場合、顎関節症の疑いがあります。- 食べ物を噛むとこめかみや耳周辺が痛む
- 口が突然開かなくなる、口を開ける際に音がする
- 物を噛むと顎が疲れやすい
- 顎が外れることがある など
- 顎のクリック音を自分でチェックする方法はありますか
- 以下を参考に、顎のクリック音をチェックしてみましょう。1.顎の動きを確認:口を大きく開けたり、左右に動かしたりして、痛みや違和感がないかを確認
2.音の確認:顎を動かす際にクリック音やガリガリとした音がするかを注意深く聞く
3.痛みの確認:顎関節周辺や耳の前、顔の側面に軽く圧をかけて、痛みが生じるかを確認する
- 顎関節症の人がやってはいけないことはありますか?
- 顎関節症の方が避けるべき行動として、顎に過度の負担をかける姿勢や習慣が挙げられます。
具体的には、長時間片側で噛むこと、頬杖をつくこと、また無意識に歯を食いしばることも避けるべきです。
さらに、硬いものを噛むことや、顎に直接ストレスを与えるような自己流のマッサージ、市販のマウスピースの使用も推奨できません。
顎関節症の治療法
- 顎関節症ではどのような治療がありますか?
- 顎関節症の治療方法には「運動療法」や「理学療法」「薬物療法」など、複数の方法があります。まず、「運動療法」ではストレッチを行って顎の筋肉や靭帯の柔軟性を向上させます。
次に、「理学療法」では顎の筋肉マッサージやレーザー照射を用いて痛みを和らげます。
理学療法とは、病気や怪我、高齢、障害などの理由で運動機能が低下した状態にある方々に対し、運動や温熱、電気、水、光線など、物理的手段を用いて行われる治療法です。顎の筋肉マッサージを行うには、清潔な手で顎の周囲、特に耳の前や頬の下の部分の筋肉に軽く圧をかけます。指の腹を使って、優しく小さな円を描くようにマッサージし、筋肉が硬いと感じる部分には少し長めに圧を加えることが良いでしょう。
ただし、痛みが増す場合は直ちに行うのを中止し、医師に相談することが重要です。顎関節症のレーザー照射治療では、低レベルレーザー(Low-Level Laser Therapy、LLLT)を使用して顎の痛みや炎症を軽減させます。
レーザー照射治療は、レーザー光を顎関節症の影響を受けている部分に直接当てることで、痛みの緩和や組織の修復を助けます。
レーザーの波長は、筋肉や結合組織の深い層に到達し、患部の回復をサポートします。 具体的な治療計画は、症状の重さや個人の状態によって異なります。最後に、「薬物療法」では、消炎鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)を用いて痛みと炎症を管理します。
また、マウスピース(スプリント療法)を使用して顎関節の負担を軽減させ、噛み合わせ治療を行うこともあります。これにはインプラントやブリッジ、矯正治療を含みます。
- どのような場合だと外科手術が推奨されますか?
- 外科手術が推奨される顎関節症とは、保存的治療法(薬物療法や理学療法など)による改善が見られないような重度の場合です。
具体的には、関節内の癒着が生じているか、関節円板が重度に変形して痛みがコントロールできない場合に手術が考慮されます。手術には関節腔洗浄、関節鏡視下手術、パンピング・マニピュレーション、そして関節開放手術が含まれます。具体的な手術方法の例は、以下のとおりです。
1.関節腔洗浄:
慢性的な痛みや関節内炎症がある場合に行われます。
局所麻酔下で針を使って洗浄液を注入し、関節腔に溜まった炎症物質を洗い流し、痛みを軽減させます。
2.関節鏡視下手術:
癒着が確認された場合に行われ、小さなカメラ(関節鏡)を使って視覚的に確認しながら癒着部分を剥がします。関節の動きを改善する働きが期待できます。
3.パンピング・マニピュレーション:
口が開かない状態を改善するため、顎の整体のように関節円盤を正しい位置に戻す処置です。強い痛みを伴うとされ、局所麻酔が用いられます。
4.関節開放手術:
身体への負担が大きい手術とされ、関節鏡視下手術で改善しない重度の症状に対して行われます。耳の前の皮膚を切開し、変性した関節円板を切除します。
- 顎関節症の痛みを管理するために自宅でできることはありますか?
- 顎関節症の痛みを自宅で管理するには、日常生活の小さな工夫が重要です。痛みの急性期には、顎の部分を冷やすことで炎症を抑えられます。
逆に、慢性期には痛みが落ち着いている場合、血行を促進するために暖めることが良いとされています。また、固い食べ物を避け、食事の際には食品を小さく切ることで顎への負担を軽減することが大切です。
顎周辺の筋肉のマッサージも、痛みを和らげるのに役立つ方法の一つです。やさしく筋肉をほぐすことで、顎関節の緊張を和らげます。
加えて、顎のストレッチを行うことで筋肉の柔軟性を高め、顎関節の動きがスムーズになります。最後に、日常のストレスを管理し、食いしばりや歯ぎしりを避けることが大切です。 正しい姿勢を保ち、適切な枕を使用するなど、生活習慣の見直しも顎関節症の予防につながります。
これらの方法は、顎関節症の痛みを和らげる補助的な手段であり、症状の改善が見られない場合は医療機関での相談が必要です。
顎関節症の原因と予防
- 顎関節症の主な症状を教えてください
- 顎関節症の主な症状には、
- 顎関節や咀嚼筋(噛む筋肉)の痛み
- 開口障害(口が開けにくい)
- 関節雑音(口を開け閉めする際に顎関節から音がする)
- 顎運動異常(下顎の動きが正常でない)
などがあります。
これらの症状は、顎関節や咬むための筋肉に生じる異常、生活習慣やストレスといった複数の要因によって引き起こされます。
- 顎関節症は何が原因となって発症しますか?
- 顎関節症の発症原因は多岐にわたりますが、主に噛み合わせの異常、食いしばり、歯ぎしり、慢性的なストレスが挙げられます。また、不良姿勢や顎に負担をかける癖(頬杖をつくことやうつぶせ寝)、歯並びの問題、事故による外傷なども関係しています。
頬杖をを改善するには、デスクワークやリラックス時には、背筋を伸ばして正しい姿勢を保つよう心掛けましょう。
また、うつぶせ寝の改善には、横向きや仰向けで寝る習慣をつけると良いでしょう。
枕の高さや硬さも見直し、首と頭が自然な位置に保たれるよう調整することが推奨されます。
- 顎関節症は予防できますか?
- 顎関節症は、以下の方法で予防できるとされています。
- 適切な噛み合わせを保つ
- 食いしばりや歯ぎしりを控える
- ストレスを管理する
- 正しい姿勢を保つ
- 適切な歯科ケアを受ける など
日常生活での小さな習慣が積み重なって顎関節に負担がかかるため、これらの習慣を見直し、必要に応じて医師のアドバイスを受けることが推奨されます。
編集部まとめ
ここまで、顎関節症の症状をチェックする方法や治療法について解説しました。
要点は、以下の通りです。
- 顎関節症の治療法には、運動療法や理学療法、薬物療法がある
- 顎関節症の症状をチェックするには、顎の動き・音・痛みの確認をする必要がある
- 顎関節症の発症原因は、主に噛み合わせの異常、食いしばり、歯ぎしり、慢性的なストレスが挙げられる
顎関節症は、早期発見・早期治療が大切です。
上記で紹介した症状チェック方法で気になる症状があれば、早めに医師による診察と治療を受けることで、顎関節症の症状を改善し、快適な生活を取り戻すことにつながります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。