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舌もカンジダになるって本当?口腔カンジダ症の治療や予防について徹底解説!

舌もカンジダになるって本当?口腔カンジダ症の治療や予防について徹底解説!

舌が白いうえに痛みや違和感があると感じた方は、口腔カンジダになっている可能性が高いです。口腔カンジダ症は、老若男女問わず発症する可能性のある病気で、赤ちゃんや高齢者、免疫力が低下している方は、特に発症しやすいといわれています。

本記事では、口腔カンジダ症について、原因、症状、治療法、予防法について解説します。

  • 口腔カンジダ症について
  • 舌のカンジダについて
  • 舌のカンジダ症の治療法と予防法

ぜひ最後までお読みください。

口腔カンジダ症について

口腔カンジダ症について

口腔カンジダ症は舌にも発症しますか?
はい、口腔カンジダ症は舌にも発症します。この病気はカンジダ・アルビカンスという真菌が原因で、口腔内の粘膜や舌の表面に白い苔状のものが付着し、赤く腫れ痛みを伴うことがあります。
特に、急性偽膜性カンジダ症や急性萎縮性カンジダ症の形態では舌に症状が現れやすいです。急性偽膜性カンジダ症もカンジダ菌による感染が原因で、口内に厚い白い膜が形成される状態です。この膜は剥がすと下の粘膜が赤くなり、痛みを伴うことが特徴です。
一方、急性萎縮性カンジダ症は、主に舌の表面に発症し、舌が赤く平滑になり、燃焼感や灼熱感を伴います。入れ歯の使用者や長期的な抗生物質使用者に見られます。
口腔カンジダ症の原因は何ですか?
口腔カンジダ症の主な原因はカンジダ・アルビカンスという真菌です。この真菌は通常、口腔内に存在しますが、免疫力が低下している場合に病原性を示します。
免疫力の低下は、乳幼児や高齢者、妊婦、病中や病後の人々に多く見られます。また、口腔内の環境が不衛生であったり、乾燥していると、発症しやすくなるといわれています。

舌のカンジダについて

舌のカンジダについて

舌のカンジダ症はどのような症状ですか?
舌のカンジダ症の症状には、白い苔のようなものが舌表面に見られることが特徴です。この白苔はコテージチーズのような質感であり、はがすと下の粘膜が赤くなります。
さらに、食事の際の痛みや辛いもの、熱いものを口にした際の灼熱感が伴うこともあります。また、口内に不快な金属味が感じられることもあります。
舌のカンジダ症は他の人に移りますか?
舌のカンジダ症はほかの人に感染する可能性があります。口腔カンジダを持つ人との接吻や、性器カンジダの人とのオーラルセックス(性器や肛門を口や舌で刺激する性的行為)を通じて感染するケースがあります。
ただし、体の抵抗力が十分に備わっている大人であれば、感染する可能性は少ないですが、免疫力が低下しているときには感染のリスクが高まります。
また、乳幼児の場合は、哺乳瓶やおもちゃなどが媒介となって感染することもあります。

舌のカンジダ症の治療法と予防法

舌のカンジダ症の治療法と予防法

舌のカンジダ症はどの科で診察してもらえますか?
舌のカンジダ症は耳鼻咽喉科や口腔外科で診察を受けることができます。また、症状が口腔内に限定される場合は、歯科で診察が行われていることもあります。
免疫力の低下が関与している場合は、全身的な治療が必要になるため、内科での診察を受けることもあります。
舌のカンジダ症の治療法を教えてください。
舌のカンジダ症の治療には、抗真菌薬を用います。
これにはさまざまなタイプがありますが、口腔カンジダ症に適したイミダゾール系抗真菌薬が広く使用されています。これらの薬は、真菌の細胞構造に作用し、その増殖を抑制または殺菌します。
治療に用いられる形態としては、口内に直接塗布するゲルタイプがあり、必要に応じて軟膏タイプや注射剤も使用されます。
ゲルタイプと軟膏タイプは、基本的には1日数回の塗布が推奨されます。注射による治療は、重症の場合や追加で治療が必要な場合に考慮されることがあります。
治療期間は感染の重症度や治療への応答により異なりますが、症状が改善しても完全にカンジダ菌が消失するまで継続することが重要です。
口腔カンジダ症は自然に治りますか?
通常、口腔カンジダ症は自然に治ることは少なく、適切な治療が必要です。
特に免疫力が低下している人では、症状が長引くことがあります。このため、早期の治療開始が推奨されています。症状が軽い場合や健康な成人では、体調が改善するとともに症状が緩和されることもありますが、自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。また、口腔カンジダ症に似た病気に、口内炎や帯状疱疹(帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気)、口腔白板症(口の粘膜に白い厚い斑点が現れる病気)、舌炎(舌の炎症で痛みや腫れ、変色を伴う病気)などがあります。
これらの疾患も口内の痛みや粘膜の変化を引き起こすことがあるため、カンジダ症と似た症状を示すことがあります。
特に口内炎は、潰瘍ができることでカンジダ症の白い斑点と見分けがつかない場合があるので、なかなか治らないといった違和感を感じたら医師の診察を受けましょう。
舌に付着している白いものは剥がしていいのですか?
舌に付着している白いものは剝がさないようにしましょう。
なぜなら、白くなっている部分を剥がすことで、その下の粘膜が赤くなり、痛みを伴うことがあるからです。自己判断で対処しようとすると、症状を悪化させてしまう可能性もあります。口腔カンジダは、医師による診断と適切な治療を受けることで改善します。
口腔カンジダ症の予防法を教えてください。
口腔カンジダ症の予防には、日常の口腔衛生の徹底が重要です。
主に、定期的に歯を磨くこと、デンタルフロスを使うこと、舌のクリーニングを行うことなどがよいとされています。
デンタルフロスの正しい使い方は、まず約45cmのフロスを切り、両端を指に巻きつけて管理しやすい長さにします。フロスを歯間にゆっくりと挿入し、歯の根元近くまで滑らせます。フロスを「C」の形に曲げて歯の側面に密着させ、軽く上下に動かしてプラークや食べかすを取り除きます。各歯間で同様の動作を繰り返し、すべての歯間をクリーニングした後、フロスは捨ててください。また、舌をクリーニングする際は、舌ブラシあるいは舌スクレーパーを使用して舌の表面の細菌や苔を優しく除去するのがおすすめです。また、歯ブラシを使って舌を軽くこすったり、口内洗浄液を使って舌を含めた口内をすすいだりすることも、口内を清潔するのに役立ちます。

そのほかに、義歯(歯を失った部分に装着する人工の歯)を使用している場合は、使用後の適切な清掃と夜間の保管方法に注意が必要です。口内の乾燥を避け、保湿の役割がある製品を利用することも予防につながります。
製品の一例として、口腔用の保湿ジェルや洗口液があります。また、唾液の分泌を促進する口腔用スプレーやタブレットも有用です。 さらに、薬の適切な使用や全身の健康管理により免疫力を維持し、口腔カンジダ症の予防に繋げましょう。

全身の健康管理には、バランスの取れた食事、十分な水分摂取、規則正しい睡眠の確保などに留意しましょう。また、ストレスを適切に管理し、喫煙や過度のアルコール摂取を避けることも重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、口腔カンジダ症の治療や予防について解説しました。
要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 舌のカンジダ症は、カンジダ・アルビカンスという真菌が原因で、口腔内の粘膜や舌の表面に白い苔状のものが付着し、赤く腫れ痛みを伴う
  • 舌のカンジダ症の症状には、白い苔のようなものが舌表面に見られることが特徴
  • 口腔カンジダ症の治療にはイミダゾール系抗真菌薬が用いられ、予防には日常の口腔衛生の徹底や体調管理が重要

口腔カンジダ症は、適切な治療を受ければ治る病気です。放置すると、症状が悪化したり、ほかの病気につながる可能性もあります。「もしかして私も?」と感じた方は、早めに病院で受診することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
酒向 誠医師(酒向歯科口腔外科クリニック院長 東京女子医科大学口腔外科 非常勤講師 聖路加国際病院歯科口腔外科 非常勤嘱託)

酒向 誠医師(酒向歯科口腔外科クリニック院長 東京女子医科大学口腔外科 非常勤講師 聖路加国際病院歯科口腔外科 非常勤嘱託)

1980年: 愛知学院大学歯学部入学 1986年: 愛知学院大学歯学部卒業 1986年: 愛知学院大学歯学部歯学研究科入学 1990年: 愛知学院大学歯学部歯学研究科卒業 1990年: 愛知学院大学歯学部第2口腔外科講座非常勤助手 1990年: 名古屋第一赤十字病院歯科口腔外科勤務 1993年: 東京女子医科大学歯科口腔外科学講座非常勤助手 1995年: 聖路加国際病院歯科口腔外科勤務 1998年: 東京女子医学大学歯科口腔外科学講座非常勤講師 2005年: 聖路加国際病院退職、酒向歯科口腔外科クリニック開業 2017年: 日本口腔科学会 認定医取得(5/31) 2020年: 日本口蓋裂学会 口腔外科 認定師取得(4/1) 2021年: 日本口腔ケア学会 評議員 2021年: 国際歯学会(ICD ) フェロー認定

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酒向 誠医師(酒向歯科口腔外科クリニック院長 東京女子医科大学口腔外科 非常勤講師 聖路加国際病院歯科口腔外科 非常勤嘱託)

1980年: 愛知学院大学歯学部入学 1986年: 愛知学院大学歯学部卒業 1986年: 愛知学院大学歯学部歯学研究科入学 1990年: 愛知学院大学歯学部歯学研究科卒業 1990年: 愛知学院大学歯学部第2口腔外科講座非常勤助手 1990年: 名古屋第一赤十字病院歯科口腔外科勤務 1993年: 東京女子医科大学歯科口腔外科学講座非常勤助手 1995年: 聖路加国際病院歯科口腔外科勤務 1998年: 東京女子医学大学歯科口腔外科学講座非常勤講師 2005年: 聖路加国際病院退職、酒向歯科口腔外科クリニック開業 2017年: 日本口腔科学会 認定医取得(5/31) 2020年: 日本口蓋裂学会 口腔外科 認定師取得(4/1) 2021年: 日本口腔ケア学会 評議員 2021年: 国際歯学会(ICD ) フェロー認定

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