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口内炎はどれくらいで治る?口内炎ができる原因や治癒期間、回復を早めるコツを解説

口内炎はどれくらいで治る?口内炎ができる原因や治癒期間、回復を早めるコツを解説

口内炎とは、口腔粘膜に生じるデキモノの総称で、文字どおり炎症反応を伴います。その種類はいくつかに分けられ、原因や症状に大きな違いが見られるため、一概に語るのは難しいです。ここではそんな口内炎ができる原因や治癒期間、回復を早めるコツなどを詳しく解説します。口内炎の症状に悩まされている方や口内炎を治す方法を知りたいという方は参考にしてみてください。

口内炎ができる原因

口内炎ができる原因 はじめに、口内炎の原因や種類について解説します。

口内炎ができる原因は何ですか?
口内炎ができる原因は、口内炎の種類によって異なります。

◎アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、一般的な口内炎です。円形または楕円形の潰瘍が生じる境界明瞭な口内炎で、主に免疫力の低下、栄養不足、ストレス、口腔粘膜の損傷などが原因となります。

◎カタル性口内炎

カタル性口内炎は、粘膜が赤く腫れたり、水疱ができたりする境界不明瞭な口内炎で、口唇や頬粘膜を誤って噛んだり、合わない入れ歯が粘膜を刺激したりすることが主な原因です。

◎ウイルス性口内炎

単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルスなどが原因となる口内炎で、粘膜が赤くただれたり、びらんが生じたりします。真菌の一種であるカンジダ菌が原因で生じる口内炎は、カンジダ性口内炎といいます。

◎アレルギー性口内炎

アレルギー性口内炎は、金属や薬品、特定の食品が原因となって生じる口内炎で、粘膜に炎症反応が起こります。

◎ニコチン性口内炎

ニコチン性口内炎は、喫煙が原因で発症する口内炎です。頬粘膜や舌などに白い斑状の症状が現れます。

ストレスがあると口内炎ができやすくなりますか?
アフタ性口内炎は、ストレスが原因となることがある口内炎です。強いストレスがかかると、交感神経が優位となり血管が収縮して血行が悪くなる、代謝が低下して口腔粘膜の再生力も低くなる、唾液の分泌が低下して口腔粘膜が傷つきやすくなる、免疫力が低下するなどの理由から、アフタ性口内炎ができやすくなります。
口内炎が繰り返しできる体質的な要因を教えてください
特定の薬剤や食品へのアレルギーを持っている、唾液の分泌量が少なくて口内が乾燥しやすい、加齢や病気などで全身の免疫力が低下しているような方は、口内炎を繰り返し発症しやすくなっています。その他、睡眠不足や栄養不足、慢性的な疲労も口内炎の発症リスクを高めます。

口内炎はどれぐらいで治るのか

次に、口内炎が治癒するまでの期間について解説します。

一般的な口内炎はどれくらいの期間で治りますか?
誰もが日常的にかかることがある口内炎は、1週間程度で自然治癒するのが一般的です。ただし、口内炎が治るまでの期間は、その人の体質やそのときの体調によっても大きく変わるため、1週間というのはあくまで目安としてとらえる必要があります。
アフタ性口内炎とほかの口内炎では治癒期間に違いがありますか?
前述の一般的な口内炎とは、アフタ性口内炎を指しており、特別な理由がなければ1週間程度で自然治癒します。一方、カタル性口内炎やアレルギー性口内炎、ニコチン性口内炎などで、お口の中や生活習慣に根本的な原因が存在しているケースでは、1週間程度で自然治癒しないことも珍しくありません。もちろん、アフタ性口内炎以外の口内炎も1週間程度で自然治癒することがあるため、明確な違いがあるとは言い切れません。
口内炎が2週間以上治らない場合に考えられることを教えてください
一般的な口内炎は1週間程度、それ以外の口内炎でも2週間程度で症状が消失していきますが、2週間経過しても治る兆しが見られない場合は、口腔がんや白血病、自己免疫疾患などが考えられます。いずれも口内炎は副次的な症状に過ぎず、それ以外にもさまざまな異常が全身に生じるおそれがあるため、早急に医療機関を受診することが勧められます。まずはお口の専門家である歯科を受診して、口内炎の原因を探りましょう。

口内炎の回復を早めるコツ

続いては、口内炎の自然治癒を促進するためのコツを解説します。

口内炎を早く治すためにできる食事の工夫はありますか?
アフタ性口内炎は、特定の栄養素の不足が発症リスクを高めたり、症状の悪化につながったりします。例えば、ビタミンB群、ビタミンC群、鉄分、亜鉛などが豊富に含まれる食品を積極的にとることで、口内炎の治癒が促進されやすくなります。とりわけビタミンB2とビタミンB6が重要となるため、以下の食品を使った献立にするとよいでしょう。

【ビタミンB2】

  • レバー
  • うなぎ
  • サバ
  • イワシ
  • 海藻
  • たまご
  • 大豆食品など

【ビタミンB6】

  • カツオ
  • マグロ
  • アボカド
  • バナナ
  • キャベツなど

また、硬い食べものや辛い食べもの、熱い食べもの、口内炎に刺激を加えて治癒を遅らせる可能性があることから、やわらかいものや噛みやすいもの、常温のものを食べた方が口内炎の治りも早くなります。

市販薬は口内炎の治癒期間をどれくらい短縮できますか?
口内炎の市販薬には、塗り薬、貼り薬、スプレー薬、内服薬などさまざまなものがあり、配合されている成分もそれぞれで異なります。ステロイド剤が含まれた製品は、即効性が高く、口内炎の治癒期間を数日程度、短縮できるかもしれませんが、その効果は体質によっても大きく変わるため、一概には語れません。抗炎症成分であるトラネキサム酸やグリチルレチン酸が含まれている市販薬は、口内炎の症状の緩和に寄与するかもしれません。いずれにしても市販薬で口内炎の治療期間が劇的に短くなることは稀なので焦らず、生活習慣などに気をつけながら自然治癒するのを待つことが大切です。
口内炎の治りを早めるために自宅でできることがあれば教えてください
まずは口腔衛生状態を良好に保つよう努めましょう。お口の中が不潔だと、口内炎の治りが遅れたり、悪化したりするためです。基本的には毎日の歯磨きをきちんと行い、必要に応じてマウスウォッシュなどの補助的なケア用品も活用しましょう。栄養の偏りがない食事を心がけ、睡眠時間を十分に確保することも口内炎の治りを早めるのに役立ちます。

口内炎が続く場合の受診タイミング

口内炎が続く場合の受診タイミング 最後に、なかなか治らない口内炎の受診タイミングについて解説します。

口内炎が治らない場合、どれくらいの期間を目安に病院を受診すべきですか?
本来であれば1週間程度で自然に治る口内炎ですが、なかなか治らない、あるいは治ってもすぐに再発するような場合は、病院の受診が必要となります。具体的には、2週間以上経っても口内炎が直らない場合は、歯科医院をはじめとした医療機関の受診を検討しましょう。
病院ではどのような口内炎治療を行うか教えてください
病院での口内炎治療としては、主に以下の2つの方法が挙げられます。

◎薬物療法

一般的な口内炎の治療は、ステロイドの軟膏や貼り薬を使った方法です。ウイルス性口内炎の場合は、抗ウイルス薬が処方されることもあります。その他、抗真菌薬やビタミン剤、痛み止めなども必要に応じて使用します。

◎レーザー治療

レーザー治療とは、口内炎に医療用レーザーを照射する方法です。口内炎のレーザー治療では、痛みの緩和、患部組織の活性化、治癒の促進、殺菌作用、止血作用などが期待できます。ただし、口内炎のレーザー治療に対応している歯科医院は一部に限られます。

◎全身疾患が原因の口内炎について

口腔がんや白血病、自己免疫疾患などが原因となっている口内炎に関しては、上記の治療を行ったとしても根本的な解決にはなりません。各疾患の治療を専門の医療機関で受ける必要があります。

病院で処方される薬で口内炎の治りは早くなりますか?
医師や歯科医師でなければ処方できない薬であり、相応の効果が見込めますが、治癒が必ず早くなるとは限りません。薬剤による効果は、患部の状態や患者さんの体質によっても大きく変わる点に注意が必要です。

編集部まとめ

今回は、口内炎ができる原因や治癒期間、回復を早めるコツについて解説しました。口内炎にはいろいろな種類があり、原因もさまざまです。一般的なアフタ性口内炎は、免疫力の低下や栄養不足、ストレスなどが原因となることから、対策もとりやすいかと思います。2週間以上経過しても治らない口内炎に関しては、その背景に深刻な異常や病気が潜んでいる可能性も否定できないです。また、むし歯や歯周病が原因で歯茎に口内炎のようなものができたりするので、まずは病院で診察を受けるのが望ましいです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

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