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口内炎はレーザーで治療できる?歯科医院での口内炎治療について解説

口内炎はレーザーで治療できる?歯科医院での口内炎治療について解説

できることならば早く治してしまいたい口内炎ですが、レーザーを使用した治療が有効というのはご存じでしょうか?
口内炎の症状や、歯科医院でのレーザーによる治療の方法、効果などについて、詳しく解説します。

口内炎の症状について

口内炎の症状について

口内炎の症状について教えてください
口内炎は、口腔内にできる炎症の症状を全般的に指す言葉です。
口内炎にもさまざまな種類がありますが、代表的なものがアフタ性口内炎と呼ばれるもので、赤く腫れあがった部分の中心に、白い潰瘍が広がったような形状をしています。
アフタ性口内炎は免疫力が低下することなどによって、お口のなかで細菌が繁殖しやすくなり、細菌による刺激で炎症が生じることなどで発生します。
炎症によって口腔内の細胞がダメージを受けた状態となるため、ものが触れると強い痛みを生じるようになり、その痛みから食事などが楽しみにくくなるといった状態となります。
症状の程度によっては何もしなくても常に痛い状態となり、日常生活にマイナスの影響を与える場合もあります。
また、口内炎は細菌が増殖して炎症を起こした状態のため、細菌が作り出す毒素や、膿などによって、口臭を悪化させることもあります。
口内炎ができる原因はなんですか?
口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれの原因が異なります。
代表的なものが上述のアフタ性口内炎で、これはストレスや睡眠不足、食事による栄養の不足などによって免疫力が低下することが主な原因となって生じます。
アフタ性口内炎は同じ場所に何度も繰り返しできてしまう場合があり、この場合は再発性アフタ性口内炎と呼ばれることもあります。アフタ性口内炎以外では、カタル性口内炎または外傷性口内炎と呼ばれるものがあります。
これは口腔内を強く噛んでしまったり、熱いものを口に含んで火傷をしてしまったり、入れ歯などの不具合や、歯列矯正の装置が触れることでの刺激などによって起こるものです。
カタル性口内炎は水ぶくれやひび割れといった状態で発生し、痛みなどのほか、唾液の分泌量が増加するなどの症状がでます。

その他の種類では、単純ヘルペスウィルスというウィルスの感染によって生じるヘルペス性口内炎や、口腔内にもともと存在するカンジダ菌が増殖して発生するカンジダ性口内炎といった、特定のウィルスや菌が原因のものもあります。

また、喫煙の習慣がある人の場合は、煙草に含まれるニコチンなどの刺激によって生じる、ニコチン性口内炎ができる可能性もあります。

口内炎と間違いやすい症状はありますか?
口内炎と間違えやすい症状の1つが、口腔がんです。
口腔がんは舌や歯茎、頬の内側や上顎、唇などにできるがんの総称で、細胞の遺伝異常により、周囲の組織に悪影響を与えながら増殖し続ける悪性の腫瘍です。
口腔がんはがん細胞が増殖していくことで進行するため、口腔内にしこりや腫れができて、症状の進行度合いによって痛みが出たり、歯がグラつく、出血するなどの症状がでてきます。
口腔内の一部が腫れてくるという状態になることから、口内炎と思われて放置されてしまうケースがあり、なかなか治らないので診療を受けてみたら口腔がんだったというケースもあります。
口内炎はほとんどの場合で免疫機能によって自然と治癒するため、口内炎ができても2週間もすれば治る場合が多い一方、口腔がんは自然治癒の可能性が低く、放置しておくと症状がどんどん進行してしまう場合があります。
なお、口腔がんは悪性の腫瘍ですが、ある程度で増大が止まったり、転移する可能性が少ない良性の腫瘍ができる場合もあります。
口内炎は何科で相談すればいいですか?
口内炎を早く治癒させたい場合は、歯科口腔外科の受診がおすすめです。
歯科口腔外科は口内炎や口腔がんの治療や、口腔内の外科治療などを専門的に取り扱います。
さまざまな口腔がんの診療経験を持つ歯科医師が多く、口内炎と口腔がんの適切な見極めが期待できるため、安心感のある治療を受けやすいでしょう。
口腔がんと診断された場合にも適切な手術などを受けやすいですし、診察の結果口内炎であった場合は、レーザー治療や薬による治療で、素早く痛みを抑えて症状を改善させる治療が受けられます。

口内炎のレーザー治療について

口内炎のレーザー治療について

口内炎の治療に使うレーザーについて教えてください
口内炎の治療には、ネオジウムヤグレーザーやエルビウムヤグレーザー、または炭酸ガスレーザーと呼ばれるレーザーが使用されます。
レーザーは単一の波長の光を照射する医療機器で、強い光によって生じる熱によって、照射を行った部位のたんぱく質を変性させるという作用があります。
ヤグレーザーなどはむし歯を削る治療でも利用されます。
口内炎に対してレーザーを照射すると、光によって発生した高熱による殺菌や、炎症部位を変性させて表面に膜を作ることで、症状を改善させることができます。
レーザーを照射すると、治療直後から口内炎の痛みがおさまり、治癒までの期間を短くすることが可能です。
口内炎のレーザー治療の流れと費用の目安を教えてください
口内炎のレーザー治療は、特に麻酔などは行わず、そのまま口内炎がある場所に対してレーザーを照射する形で行われます。
治療の際にはまず口内炎の状態を検査して、口内炎の位置や症状から、レーザーによる治療が適切と判断された場合に、治療が行われます。
レーザーの照射後も特別な処置は必要ないため、照射して問題などがなければそれで治療は終了となります。
レーザー治療を受けると、直後から口内炎の痛みが軽減され、照射部位にはカサブタのようなものができますが、時間の経過とともに組織が回復して剥がれ落ち、口内炎が治癒します。
口内炎に対するレーザー治療は保険適用となるため、3割負担で1,000円かからない程度ですが、クリニックによっては自費診療などで対応している場合もあります。
口内炎のレーザー治療は痛いですか?
ただでさえ痛い口内炎にレーザーの刺激を与えるとなると、治療の痛みが心配という方も多いと思います。
しかし、口内炎のレーザー治療では痛みが生じにくく、多少の刺激は感じる場合があっても、口内炎に物が触れる際の痛みよりも弱い程度の痛みで治療がうけられます。
そのため、麻酔なども特に必要なく、治療はすぐに完了します。
レーザー治療が受けられない人はいますか?
口内炎に対してレーザー治療が受けられないというケースはほとんどありませんが、口内炎ではなく口腔がんであった場合や、前がん病変はレーザーの照射が禁忌となるため、しっかりとした診断が必要です。
また、アフタ性口内炎以外の口内炎については、レーザー治療が有効ではない場合もあります。
その他、口内炎ができている部位が、レーザーの照射が難しい場合にも、治療が受けられない可能性があります。

口内炎の根本的な対策について

口内炎の根本的な対策について

口内炎を繰り返さないためのケア方法を教えてください
アフタ性口内炎は、ストレスや食生活の乱れなどが主な原因であるため、規則正しい生活習慣や、バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
また、口腔内が不衛生な場合にも繰り返し口内炎ができることがありますので、歯磨きなどのケアをしっかりと行い、定期的な歯科医院でのクリーニングなどを受けるようにしましょう。
口内炎を再発させないための治療はありますか?
口内炎の原因がホルモンバランスの乱れなどによるものの場合、漢方薬などで体質を改善することで、再発を防止できる可能性があります。
ただし、ストレスなどによって口内炎が再発することはありますので、やはり生活習慣などを見直して口内炎ができにくくすることが大切です。
ずっと治らない口内炎はどうすればいいですか?
口内炎が2週間以上など長期にわたって治らない場合、口内炎ではなく口腔がんなどの可能性も考えられます。
口腔がんの場合はそのまま放置しておいても治らず、むしろ症状が悪化してしまう可能性があるので、早めに歯科口腔外科を受診し、適切な診断や治療を受けるようにしましょう。
診断の結果口内炎であった場合も、レーザー治療などによって早期に改善させることができます。

編集部まとめ

編集部まとめ

口内炎にはレーザー治療が有効で、一回の治療ですぐに痛みを軽減し、治癒の速度を早めることができます。
口内炎は口腔がんと間違いやすい症状でもあり、口腔がんの場合は早期発見と早期治療がとても重要になりますので、なかなか治らない口内炎などがあるという方は、早めに歯科口腔外科を受診することをおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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