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【歯科口腔外科】ポリープとは?乳頭腫や繊維腫について解説します!

【歯科口腔外科】ポリープとは?乳頭腫や繊維腫について解説します!

お口のなかにできるポリープは、患者さんにさまざまな不安を与えます。なかでも、乳頭腫や繊維腫は、見た目の影響も大きいため、適切な診断と治療が求められます。 本記事では、歯科口腔ポリープについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 口腔内にできるポリープとは
  • 乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の共通点
  • ポリープの治療は口腔外科を受診

歯科口腔ポリープについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

口腔内にできるポリープとは?

口腔内にできるポリープとは?

口腔内にできるポリープとは、口腔内の粘膜や軟組織に生じる嚢胞や腫瘍を指すことが多いとされています。
物理的刺激や慢性的な炎症、感染症などが原因と考えられています。

例えば、入れ歯や破折した歯の刺激、口内の不衛生さ、食生活の乱れなどがポリープの形成に関与します。
ポリープは無症状で発見されにくいこともありますが、大きくなると食事や会話に支障をきたすことがあります。

ほとんどが良性腫瘍とされており、命に関わることはないとされていますが、稀に悪性化する可能性があるため、早期発見と治療が重要とされています。

乳頭腫について

乳頭腫について

乳頭腫はどのような腫瘍なのでしょうか?以下で詳しく解説します。

乳頭腫とは

口腔乳頭腫は、口内の粘膜上に見られる良性の腫瘍です。口腔乳頭腫は、見た目の変化により発見されることが多いとされています。

症状

口腔乳頭腫の症状は形状によって異なります。主な症状として、乳頭状の形をしていたり、イボ状やカリフラワー状の形態が見られたりすることがあります。2〜3mmから数cmの大きさに成長し、表面が白く角化する特徴があります。また、乳頭腫はほとんどが単独で現れますが、稀に複数形成される場合もあります。

原因

口腔乳頭腫の発生原因は多岐にわたりますが、主に慢性的な物理的または化学的刺激が関与していると考えられます。

具体的には、不適切な歯列や不適合な入れ歯による反復的な摩擦、尖った歯が粘膜に接触することで刺激を与える場合、または誤って噛むことが繰り返される部位に生じやすいとされています。

また、タバコやアルコールの使用は口腔内の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことで、上皮細胞が過剰に増殖し、乳頭腫を形成する可能性があります。

好発年齢・好発部位

好発年齢:
口腔乳頭腫は、年齢層を問わずに発症する可能性があります。しかし、成人においては口腔衛生状態や慢性的な刺激の影響を受けやすいため、頻度が高くなる傾向が見られます。

好発部位:
乳頭腫は、口腔内のさまざまな部位で発生する可能性があります。特に、食物や歯による刺激を受けやすいため、舌に発症することが多いとされています。舌の次には口蓋、硬口蓋の粘膜が刺激や熱い食べ物などの影響を受けやすく、発症しやすいです。さらに、歯肉、口唇、頬の内側の粘膜なども発症することがあります。

これらの部位は日常的な食事や話す動作中に刺激を受けやすい場所であるため、乳頭腫の形成につながりやすいとされています。

繊維腫(線維性ポリープ)について

繊維腫(線維性ポリープ)について

ここからは、繊維腫(線維性ポリープ)について解説します。

繊維腫(線維性ポリープ)とは

繊維腫(線維性ポリープ)は、口腔内に発生する良性の腫瘍の一種です。繊維腫は、口腔内で見られ、良性腫瘍のなかでも発症しやすいとされています。

症状

繊維腫(線維性ポリープ)の形状は球状から楕円形まで多岐にわたりますが、腫瘍の大きさは、5mm〜10mm程度で、中身は繊維質の組織によってやや硬いか、やわらかい質感を持ちます。

色は周囲の正常な粘膜と変わらず、ゆっくりと成長します。繊維腫は痛みを伴うことは少ないですが、その位置によっては食事や発音時に物理的な違和感を感じることがあります。なかでも、舌の裏や唇の裏など、視認しにくい部位に存在する場合、自覚症状がほとんどないといわれており、知らず知らずのうちに大きく成長していることがあります。

原因

繊維腫(線維性ポリープ)は、主に口腔内の慢性的な物理的刺激によって発生することが多いとされています。なかでも、歯の尖った部分や不適合な入れ歯が長期間にわたって粘膜に摩擦や圧迫を加えることが主な原因とされています。

また、入れ歯を使用している場合、入れ歯の辺縁が歯肉や頬粘膜に接触する箇所に義歯性線維腫が形成されることもあります。

これらの腫瘍は、継続的な刺激により粘膜下の繊維組織が過剰に増殖することで発生します。

好発年齢・好発部位

好発年齢:
繊維腫は、幼少期から高齢者までさまざまな年齢層で発症する可能性があります。繊維腫が発症する主な原因が慢性的な刺激や炎症であるため、年齢を問わずリスクが考えられます。

好発部位:
繊維腫(線維性ポリープ)は、口腔内のさまざまな部位に発生する可能性がありますが、なかでも、舌、口唇、歯肉、頬粘膜、そして口蓋に好発します。

これらの部位は日常的にさまざまな物理的刺激にさらされるため、繊維腫が形成されやすいです。

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の共通点

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の共通点

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)には、共通する症状があります。以下で共通する症状について解説します。

痛みや不快感が少ない

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)は、痛みや不快感をあまり伴わない特徴があります。これらの腫瘍は、日常生活において患者さんが痛みや不快感を自覚することは少ないとされています。

しかし、腫瘍の位置や大きさによっては、食事中の咀嚼や発話時に違和感をを感じることがあります。それでも、乳頭腫と繊維腫は日常生活における痛みを引き起こすことは稀であるため、発見が遅れることもあります。

どの年代でも発症する可能性がある

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)はどの年代でも発症する可能性があります。年齢を問わず口腔内で発生するため、子どもから高齢者まで影響を受ける恐れがあり、年齢が高くなるにつれて、口腔内環境の変化や全身の健康状態が腫瘍の発生に影響を与えることもあります。
このように、乳頭腫と繊維腫はライフステージに関係なく注意が必要な健康問題です。

ゆっくり成長する

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)は、発育が緩慢とされています。これらの良性腫瘍は、ゆっくりと成長するため、初期段階では目立ちにくいことが多く、時間をかけて徐々に大きくなります。
このゆっくりとした成長パターンは、患者さんが腫瘍の存在に気付くのが遅れる一因となることがあります。また、急激な大きさの変化が見られないため、定期的な口腔内検診での発見が推奨されています。

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の治療法

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の治療法

乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)の治療方法は、大きさ、位置、および患者さんの症状によって異なります。

乳頭腫の治療法: 乳頭腫は、初期の段階では経過観察を行います。しかし、腫瘍が成長して口腔内での食事や発話に支障をきたす場合、または審美的な問題が大きいと感じられる場合には、外科的な切除が選択されます。手術後は適切な経過観察が必要とされ、定期的なフォローアップが行われます。

繊維腫の治療法: 繊維腫では、入れ歯や歯の尖った部分による慢性的な刺激が原因である場合、まずはその原因を取り除き、入れ歯の調整や、尖った歯の研磨を行い、摩擦や圧迫を軽減します。しかし、腫瘍が大きくなり違和感や機能的な問題を引き起こす場合は、外科的に腫瘍を摘出することが推奨されます。

このように、乳頭腫と繊維腫の治療はそれぞれの状況に応じて慎重に選択されますが、診断と治療を受けることが大切です。

ポリープの治療は口腔外科を受診

ポリープの治療は口腔外科を受診

ポリープを治療するには、口腔外科を受診することが推奨されています。以下で、口腔外科について理解しましょう。

口腔外科とは

口腔外科は、口腔、顎、顔面の疾患を扱う診療科です。交通事故やスポーツによる外傷、顎変形症、唾液腺疾患、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症なども対象となります。口腔外科では、口腔、顎、顔面全体の自然な形態や機能を回復させることを目指します。

口腔外科の選び方

口腔外科で治療を受けたい場合、どの病院を選べばいいか迷う方もいるかと思います。口腔外科の選び方は以下のとおりです。

  • 経験を確認する:信頼できる病院を選ぶためには、治療経験が豊富な病院を選びましょう。
  • 患者さんの希望に応える病院:専門性も重要ですが、患者さんの希望を優先して治療法を提案してくれる病院を選びましょう。

病院の経験や患者さんの希望に応じた治療を行う病院を選ぶことで、自分に合った治療を受けられるでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯科口腔ポリープについてお伝えしてきました。歯科口腔ポリープの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 口腔内にできるポリープとは、お口のなかに発生するできものの一種のこと
  • 乳頭腫と繊維腫(線維性ポリープ)には、痛みや不快感が少ない、どの年代でも発症する可能性がある、ゆっくり成長するなどの共通点がある
  • ポリープの治療は口腔外科を受診することが大切で、口腔外科を選ぶ際には、病院の経験を確認したうえで患者さんの希望に応える病院を選ぼう

歯科口腔外ポリープである乳頭腫と繊維腫は良性腫瘍のため、悪性化する可能性は低いですが、適切な診断と治療を受けることが大切です。口腔内の異常を感じたら自己判断せず、すぐに医師の診察を受けましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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