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紅板症の見分け方とは?検査方法や口腔がんとの関係についても解説!

紅板症の見分け方とは?検査方法や口腔がんとの関係についても解説!

口内に発生する病気の一つに、紅板症(こうばんしょう)があります。まれな病気ではありますが、発症した場合、悪性化してしまう可能性もあるため、早期発見し、治療を受けることが大切です。似ている病気が多く、自分で見分けるのは困難だと言われている紅板症ですが、どのように見分けたら良いのでしょうか? また、紅板症の検査方法や治療方法、口腔がんとの関係についてなど、紅板症についての質問にお答えしていきます。

紅板症とは

紅板症とは 紅板症とは、どのような病気なのかご存知でしょうか? 紅板症の特徴や原因、治療方法、口腔がんとの関係性についての質問にお答えしていきます。

紅板症とはどのような病気ですか?
紅板症は、口内の粘膜が赤くなる病気であり、舌、歯肉、口蓋などに症状が現れます。症状としては、潰瘍ができる、患部が盛り上がるなどが挙げられます。感染や炎症で赤くなる病気とは違って、患部に触ったり、刺激物を食べたりすると痛みを感じます。紅板症は白板症と比較するとまれな病気であり、悪性の確率が高い病気だと言われています。紅板症の約50%の症例はがん化してしまうとされているため、注意が必要です。
紅板症の原因は何ですか?
紅板症の原因として、加齢や生活習慣が影響する可能性はありますが、具体的な因果関係は明確ではなく、現在の研究では遺伝的要因や免疫系の異常が関与していると考えられているようです。健康的な食生活、生活習慣を心がけましょう。
紅板症の治療方法について教えてください。
軽度の紅板症の場合、手術以外の治療法や局所療法が適用されることもあります。手術を行った場合でも、再発の有無の経過観察は必須です。 すでに紅板症ががん化している場合は口腔がんの治療に移り、手術や放射線療法、化学療法を組み合わせた治療が行われます。 初期の小さな口腔がんであれば簡単な日帰り手術のみで治療ができ、後遺症も軽いとされています。そのため、早期発見、早期治療することが何より大切です。なお、口腔がんの治療後は、摂食や嚥下のリハビリテーションが必要になる場合もあり、手術後であっても、根気強く病気と付き合っていく必要があります。
紅板症と口腔がんの関係について教えてください。
紅板症の約50%が悪性(口腔がん)になりやすいということから、紅板症と口腔がんは密接な関係にあると言えるでしょう。 なお、口腔がんとは口内と唇に発生するがんのことを指します。舌や歯肉、頬など口の中の表面を覆う粘膜に発生するものや、口内の唾液を分泌している唾液腺(耳下腺を除く)に発生するものも、口腔がんに含まれます。口腔がんの症状としては、口内にできものができる、傷や荒れ(短期で治らない)があるなどが挙げられます。また、悪性リンパ腫や白血病などが口腔内に現れる、ほかの臓器のがんが口腔や顎の骨に転移するといった場合もあります。 口腔がんの前段階として紅板症が発生する場合があるため、自覚症状がある場合は速やかに専門の医療機関を受診するようにしましょう。

紅板症の見分け方と検査

紅板症の見分け方と検査 紅板症を早期発見するためには、どのように判断したら良いのでしょうか? 紅板症の見分け方や検査方法についての質問にお答えしていきます。

紅板症かどうか自分で見分ける方法はありますか?
紅板症は、口内炎のように一部が赤みを帯びて患部も傷むため、個人で見分けるのは難しいといわれています。口腔がんにおいても、口内炎だろうと放置してしまい、発見が遅れてしまう場合が多くなっています。口内炎は通常2週間程度で治りますが、2週間以上続く場合や頻繁に再発する場合は医療機関を受診することをお勧めします。そのほかの受診目安としては、刺激物や歯ブラシなどが触れたときに痛みがある、口内の粘膜の一部が鮮紅色になっているなどであり、これらの症状も3週間以上続く場合は、痛みの有無に関わらず、医療機関を受診することをおすすめします。なお、紅板症の場合、口腔外科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。歯科検診によって口腔がんが見つかることもあるため、定期的に歯科検診を受けるのもよいでしょう。
紅板症の病院での検査方法を教えてください。
医療機関を受診し、紅板症の症状が見られる場合、主に擦過細胞診が行われます。擦過細胞診は口腔内でも一般的に行われる検査であり、婦人科に限られた方法ではありません。痛みはほとんどありませんが、個人差があります。 細胞を採取した後は、必要に応じて患部組織を切除し、生体組織診断が行われます。紅板症は悪性化の危険性があるため、受診した時点でがん化していることも少なくありません。そのため、検査と診断は念入りに行われます。

紅板症と似ている疾患

紅板症と似ている疾患には、白板症、口腔カンジタ症(紅斑型)、扁平苔癬、口内炎などがあります。それぞれの疾患についての質問にお答えしていきます。

白板症について教えてください。
白板症は、口腔粘膜や頬粘膜(きょうねんまく)、舌、歯肉に現れる白い病変のことを指します。擦っても剥がれないことが特徴で、白板症は患者数が多く、舌にできた場合悪性化する可能性が高いため、がん化する前段階の疾患として知られています。白板症になった場合、粘膜の浅い欠損である「びらん」をともなうこともあり、患部に触れると痛い、食べ物がしみるなどの症状があります。
口腔カンジタ症について教えてください。
口腔カンジタ症は、カンジダ・アルビカンスと呼ばれる真菌が主な原因となって発症する口腔内の感染症です。急性型と慢性型の2つのタイプがあり、どちらも口腔粘膜の痛みや味覚の異常などの症状を引き起こします。 急性型の口腔カンジタ症のうち、偽膜性カンジダ症では、口腔粘膜表面に灰白色あるいは乳白色の白苔が点状、線状、または斑紋状に現れるのが特徴です。この白苔は布などで拭うと容易に剥がれますが、剥がれた後の粘膜には発赤やびらんが認められます。一方、萎縮性カンジダ症や紅斑性カンジダ症のように白苔を伴わない急性型の場合は、舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が観察され、偽膜性カンジダ症と比べてより強い痛みを伴うことが多いです。 慢性型の口腔カンジダ症である肥厚性カンジダ症では、白苔が剥がれにくくなり、上皮の肥厚を伴うようになります。このように、口腔カンジタ症は急性型と慢性型で症状や所見が異なるため、的確な診断と適切な治療が必要とされる疾患です。
扁平苔癬について教えてください。
扁平苔癬は、皮膚や粘膜にできる角化性であり、炎症をともない、治りづらいことが特徴です。口腔では主に頬粘膜に現れますが、舌や口唇にも発生します。白い粘膜の角化がレース状に見られ、周囲に発赤が現れます。びらんや潰瘍を形成し、触ると痛い、食物がしみるなどの症状が発生し、まれにがん化することもあるため注意が必要です。
口内炎について教えてください。
口内炎としてもっとも多く見られるものがアフタ性口内炎です。原因は断言できませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、ビタミンB2の不足などではないかと考えられています。アフタ性口内炎の症状は、2~10mmほどの丸くて白い潰瘍が、口内の頬、唇の内側、舌、歯茎などに現れます。通常は10日~2週間ほどで自然に治りますが、長期間治らない、再発を繰り返す、広範囲で複数見られるなどの場合は、ほかの病気の可能性もあるため、医療機関を受診するようにしましょう。

編集部まとめ

いかがでしたでしょうか。紅板症は口内炎によく似ているため、自分では見分けがつかない場合もあります。口内炎であれば自然に治りますが、紅板症であれば治療が必要になります。口腔がんに進行する可能性も考えられるため、早期発見、早期治療が肝心です。口内に赤みがある、患部に触れると痛みがある、しみるなどの症状が2週間以上改善されない場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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