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口内炎を早く治すためのポイントや治療法解説!口内炎ができる原因や注意点も紹介します

口内炎を早く治すためのポイントや治療法解説!口内炎ができる原因や注意点も紹介します

突然お口のなかに出現して、嫌な痛みが続く口内炎。口内炎があると食事も思うようにとれなくなり、炎症が悪化すると何もしていなくても痛い状態になって強いストレスがかかってしまいます。
そんな口内炎は、可能な限り早く治したいと考える方がほとんどでしょう。この記事では、口内炎を早く治すための方法を詳しくご紹介しておりますので、参考にしてみてください。

口内炎を早く治すポイント

口内炎を早く治すポイント

口内炎とは口腔内に生じた炎症全般を指す言葉ですが、そのなかでも特に、中央に白く丸い境界線の明瞭な潰瘍があり、その周辺が赤く腫れた状態になるアフタ性口内炎が、一般的にイメージされるかと思います。
アフタ性口内炎は主に免疫力の低下などによって引き起こされるものとされていて、ほとんどの場合は放置しておいても1~2週程度で自然と治りますが、適切なケアを行うことでそれよりも早く改善させることも可能です。
口内炎を早く治すために重要なポイントをご紹介します。

口腔内を清潔に保つ

口内炎を早く治すためには、まず第一に口腔内を清潔に保つことが大切です。
口腔内が清潔ではなく、雑菌などが繁殖しているとその刺激によって炎症が長引くため、口内炎がなかなか治らない状態となります。
丁寧な歯磨きや、マウスウォッシュの使用、可能であればフロスなども使用して歯垢を除去し、雑菌の繁殖を抑えましょう。
セルフケアだけではどうしても少しずつ歯垢が蓄積し、歯石などとなってしまうため定期的に歯科検診や歯のクリーニングを受けて口腔内を清潔に保つようにすると、口内炎ができにくく、早く治りやすい状態を作れます。

ビタミンB類を摂取する

口腔内は粘膜で形成されているため、粘膜の代謝に必要な栄養素が不足すると健康な状態が保たれにくくなり、口内炎ができやすくなります。
粘膜の代謝には特にビタミンB類が多く消費されるため、赤身の魚やお肉、バナナやパプリカといったビタミンB類を多く含む食事を積極的に摂ったり、サプリメントを利用するなどしたりするとよいでしょう。
なお、ビタミンB類の多くは水溶性で余剰分は尿などで体外に排出されますが、ビタミンB6は過剰に摂取すると神経障害を引き起こす可能性もあります。ビタミンの摂取は日本の推奨摂取量を参考にし、必要に応じて医師などと相談するようにしましょう。

ビタミンB類のほかにも、ビタミンCや亜鉛といった栄養素が粘膜の代謝に消費されるため、こちらも積極的に摂取するようにしましょう。

十分に休養をとる

口内炎は免疫力の低下によってできやすくなるため、十分な休養、十分な睡眠をとって体の免疫力を高めることが早く治すためのポイントとなります。
疲労の回復、エネルギーの回復にはビタミンB1やB2、B6やナイアシンといったビタミンB類が消費されるため、疲れがたまると粘膜の代謝に必要な栄養も不足しがちになりますので、栄養の摂取もやはり積極的に行いましょう。

市販薬を利用する

ドラッグストアなどで販売されている市販薬を上手に利用することも、口内炎を早く治すために有効です。
口内炎の治療薬としては炎症を抑える塗り薬や、口内炎にはり付けることで刺激を抑えて痛みを軽減しながら炎症を鎮めてくれるはり薬などさまざまなものが販売されていますので、口内炎ができた場所などに応じて使用しましょう。
炎症が悪化して痛みが強くなる前に使用を開始した方が治りも早くなるため、口内炎ができ始めたら我慢せずに薬の使用を開始することがおすすめです。

口内炎を早く治すための治療法

口内炎を早く治すための治療法

口内炎はクリニックでの専門的な治療を利用するとより早く治しやすくなります。

口内炎を診察してもらえる診療科

口内炎の治療は耳鼻咽喉科や歯科医院などで診察が行われていますが、特に専門としている診療科は歯科口腔外科です。
歯科口腔外科は口腔内のトラブル全般を専門的に治療する診療科で、口内炎や顎関節症、手術の必要な難しい親知らずの抜歯といった治療や、口内炎と間違いやすい症状でもある口腔ガンの治療などを取り扱っています。
口内炎がなかなか治らないと思って診察を受けたら、口腔がんが見つかるといったケースもよくあるため、口内炎にお悩みの方はまず一度歯科口腔外科を受診して、適切な診断や治療を受けるとよいでしょう。

薬による治療

口内炎の治療薬は市販薬でもさまざまな物が販売されていますが、歯科口腔外科の診察で原因を明確にすることで、より症状に適した薬の処方を、保険適用にて受けられます。
処方される薬は塗り薬や貼り薬のほか、うがい薬や症状を早く改善させるための内服薬、口内炎が繰り返されてしまう体質を改善させるための漢方薬などがあります。

レーザー治療

歯科口腔外科にある口腔内治療用の医療用レーザーを用いて、口内炎の治療を行うことができます。
ただでさえ痛い口内炎にレーザーを照射するというと、痛みが心配になるかもしれませんが、レーザーは物理的な刺激ではないため、意外と照射で痛みが出ることはなく、照射中はピリピリとする程度です。
レーザー照射後は口内炎の痛みが軽減され、殺菌作用により治癒も早くなります。
レーザー治療は再発性のアフタ性口内炎治療の場合に保険診療が可能で、保険点数で30点の加算のため、3割負担であれば90円程の費用で受けることができます。
このほかに初診料や再診料といった費用は必要となりますが、それをあわせても低価格で治療を受けることが可能で、一回の照射で痛みが軽減されますので、口内炎の症状を我慢している方はまず一度歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。

口内炎を早く治したい時の注意点

口内炎を早く治したい時の注意点

口内炎を早く治すためには、炎症を悪化させてしまう行為をしないようにすることも大切です。
ついついやってしまいがちな、口内炎を悪化させて長引かせてしまう行為は下記のとおりです。

舌や指で触る

口内炎の腫れが気になって、舌や指でつい触ってしまう方は多いと思います。
舌でなめる行為や指で触る行為は口内炎ができている部分への刺激となるため、炎症を悪化させて治るまでの期間が長引いてしまう要因の1つです。
特に、清潔ではない指先などで触ってしまうと雑菌がついて炎症を強めてしまう原因になるため、気になるからといって触る行為はやめておきましょう。

辛い物や刺激物を食べる

辛い物やしょっぱいものなど、食べたときに口内炎ができている部分に強い痛みが生じるような食べ物は、痛みが出るばかりではなく炎症を悪化させて治りを遅くしてしまう原因となります。
口内炎があるときにわざわざ痛いものを食べようという方は少ないと思いますが、早く治すためにもなるべく刺激物を食べることは避けるようにしましょう。

アルコールなどで殺菌する

口内炎が雑菌などの繁殖によって引き起こされているものであるということから、アルコールのような殺菌の性質があるものをお口に含むと早く治るのではないかと考えるかもしれません。
しかしこれは間違いで、アルコールはたしかに殺菌の性質があるものの、口内炎の原因となっている菌を死滅させる薬のような役割はありませんし、アルコールの刺激によって炎症が悪化してしまう可能性が高いといえます。
また、アルコールの摂取は血流の悪化や代謝に必要な栄養素の消費につながり、免疫力や粘膜の代謝の妨げとなる場合もありますので、その意味でも口内炎の治癒を遅くしてしまう可能性があります。
殺菌をするのであれば専用のマウスウォッシュを使用するなど、口内炎の治療にしっかりと効果を発揮する方法で行うようにしましょう。
口内炎の状態によっては刺激の強いマウスウォッシュなども控えた方がよい可能性はあるので、やはり一度歯科口腔外科などの診療を受け、適切なケア方法を確認する方がよいでしょう。

口内炎はなぜできる?

口内炎はなぜできる?

口内炎を早く治すためには、そもそもなぜ口内炎ができてしまうのか、その要因についてしっかりと理解し、正しくケアを行うことが大切です。
また、口内炎ができてしまう原因を減らせば、そもそも口内炎ができにくくなりますので、繰り返す口内炎に悩まされている方は一度生活習慣などの見直しを行ってみましょう。

ビタミン不足など栄養バランスの乱れ

口内炎は口腔内に発生する炎症を指しますが、口腔内、つまりお口の中は粘膜組織で作られています。
粘膜も肌と同じように日々代謝によって新しい細胞へと入れ替わっているものであり、また口腔内の粘膜は付着した雑菌などを唾液などで洗い流すことで清潔に保ち、健康状態を維持しています。
こうした粘膜の代謝や清潔に保たれるための機能は、食事によって取り入れた栄養によって行われていますので、食生活の乱れによる栄養バランスの乱れた状態や過度なダイエットなどによる栄養不足が続くと口内炎ができやすくなります。

粘膜の代謝にはビタミンB類や亜鉛などのミネラル分のほか、新しい細胞を作るためにタンパク質などが重要な栄養素となりますので、積極的に摂取するようにしましょう。
また、ビタミンA、C、Eはあわせてビタミンエースと呼ばれるように健康な体を保つために重要な役割を果たしているため、しっかりと補給しておきたい栄養素です。
その他、水分をしっかり取ることも大切で、粘膜の健康は水分により十分な潤いが保たれていることによって守られていますので、水分不足で体が乾燥しないように小まめにしっかりと水分を摂取するようにしましょう。

疲れやストレスによる免疫力の低下

人間の体は免疫力によって守られていて、しっかりと免疫力が働いている間は雑菌などが付着しても免疫機能によって無力化され、除去されていくため、炎症が引き起こされることはありません。
しかし、疲れやストレスといった要因によって体の免疫力が低下してしまうと、体に付着した雑菌などの繁殖を抑えることができなくなり、これが炎症やさまざまな体調不良を引き起こす原因となります。
口内炎の原因はこうした免疫力の低下によるもので、睡眠不足が続いて疲れがしっかりと取り除けない状態が続いているときや、精神的、肉体的な強いストレスがかかったときに生じやすくなります。
特にしっかりと睡眠をとることは大切で、人によって必要となる睡眠時間には差がありますが、目が覚めたときにまだ寝たりないと感じたり、日中に眠気を感じたりするような状態は睡眠が不足している証ですので、できる限り早めに就寝するなどして十分な休養をとるようにしましょう。
長時間寝ているにも関わらず、日中の眠気などが生じる場合は睡眠時無呼吸症候群や何かしらの原因で質のよい睡眠がとれていない可能性もありますので、睡眠外来を取り扱うクリニックの受診をしてみるなどもよいでしょう。

物理的な刺激

食事のときに唇や頬の内側を強く噛んでしまうなど、物理的な刺激によって傷がつくことでも口内炎が生じる場合があります。
こうした物理的な刺激によってできる口内炎はカタル性口内炎と呼ばれ、アフタ性口内炎のように境界が明瞭な白い潰瘍ができるのではなく、粘膜が赤く腫れたり、水疱ができたりする、境界の不明瞭な口内炎となります。
カタル性口内炎は、強く噛んでしまった場合のほか、熱湯などの熱さによる刺激や、歯の矯正器具や入れ歯などが粘膜にあたる刺激などによってもできてしまう場合があります。

口腔内の乾燥による影響

お口の中が乾燥していると、粘膜に付着した雑菌などが洗い流されずそこに留まってしまいやすくなり、口内炎ができやすくなります。
口腔内は唾液によって潤いが保たれていますが、加齢や薬の副作用、水分不足などによって唾液量が減少すると、口腔内も乾燥しがちになってしまいます。
一時的に乾燥してしまったお口のなかの潤いを補給する方法としては水分摂取やうがいがありますが、そもそも唾液量が減少して乾燥しやすくなっている場合は、口腔内の保湿ケアが可能な商品の利用なども有効でしょう。
唾液量は適切な治療を受けることで改善できる場合もありますので、口腔外科などで一度相談してみるのもおすすめです。

ウィルスや細菌によるもの

口内炎は口腔内に元々いる常在菌の1つであるカンジダ菌や、ヘルペスウィルスによって引き起こされる場合もあります。
ヘルペスウィルスはキスなどの接触によって感染する可能性もあるため、口内炎ができているときにはこうした接触や、食器などの使いまわしなどは避けた方がよいでしょう。

その他の原因

上記にあげた以外にも、口内炎はベーチェット病やループスなどの自己免疫疾患の症状の一部として現れることがあったり、アレルギー反応が原因となる場合もあります。
また、感染症や薬剤の副作用などが原因で口内炎が出来やすくなるケースがあったり、その他にも特に女性の場合は月経周期や妊娠、閉経といったホルモンバランスの変動によっても口内炎が出来やすくなるなど、さまざまな要因が関係していますので、しっかりケアをしてもなかなか治らい場合や、繰り返し口内炎が出来てしまう場合には、口腔外科などに相談して、何が原因なのかを一度しっかり検査して、適切な対策を行うとよいかもしれません。

口内炎がなかなか治らない場合の注意点

口内炎がなかなか治らない場合の注意点

お口の中にあるできものを口内炎だと考え、そのうち治ると思って放置していたらなかなか治らず、診察を受けてみたら口腔ガンだったというケースは、口腔ガンが見つかる経緯としてよくあるそうです。
口腔ガンは初期に見つかれば部分切除などで治療が可能であるのに対し、発見が遅れるとリンパ節などに転移しやすく、広い範囲での切除が必要になったり、命に関わる可能性もある症状です。
口腔ガンは初期には痛みが出にくく、口内炎は最初から痛みや白い潰瘍が目立つといった違いはあげられますが、口内炎の種類や口腔ガンの進行によっては自己判断では見分けが難しい場合もあります。目安として2週間以上が経過しても改善が見られない場合や、痛みが激しかったり、悪化していっている場合。または発熱やリンパ節の腫れが伴う場合や、食事や会話が困難な場合などではできれば早めに口腔がんや口内炎の治療を専門的に行っている口腔外科を受診することをおすすめします。

まとめ

まとめ

口内炎を早く治すためには、口腔内を清潔に保ちながら、粘膜の健康維持に必要な栄養や睡眠を十分にとることが大切です。
市販の治療薬を使用することでも治癒を早めることができますが、歯科口腔外科を受診して専門的な治療を受けるとより素早く改善できるでしょう。レーザー治療が利用できる場合、直後から痛みなどの症状を軽減することも可能です。
口内炎がなかなか治らない場合は口腔ガンの可能性も考えられるため、放置せずに早めに口腔外科を受診し、適切な診断を受けた方がよいでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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