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白板症の見分け方とは?他の口腔疾患との違いや治療方法について解説!

白板症の見分け方とは?他の口腔疾患との違いや治療方法について解説!

白板症は、口腔内の粘膜に白い病変が現れる疾患です。初期段階では自覚症状に乏しく、見過ごされがちですが、放置すると口腔がんに進行する可能性があるため注意が必要です。今回は、白板症の症状や原因、他の口腔疾患との違い、見分け方、治療方法などについて詳しく解説します。白板症の基礎知識を身につけ、口腔内の変化に気づいたら早めに医療機関を受診しましょう。

白板症の基礎知識

白板症は、口腔粘膜に白い斑点や板状の変化が生じる疾患で、前がん病変と言われています。喫煙や飲酒、不適合な義歯の使用などが原因で発症すると考えられています。初期段階では自覚症状がないことが多いため、定期的な歯科検診で早期発見することが大切です。ここでは、白板症の症状と原因について詳しく解説します。

白板症の症状はどのようなものですか?
白板症の主な症状は、口腔内の粘膜に白い病変が現れることです。舌、歯肉、頬の内側などに発生することが多く、初期段階では痛みや違和感はありません。白斑は、表面が平滑で境目がわかりやすい場合もありますが、不整形な場合もあります。白板症は自覚症状に乏しいため、初期段階で発見することが難しい疾患です。しかし、放置すると白斑が広がり、悪性化するリスクが高まります。定期的な歯科検診を受け、口腔内の変化に気づいたら早めに医療機関を受診することが大切です。自己観察だけでなく、専門医による診察が白板症の早期発見につながります。
白板症の主な原因は何ですか?
白板症の主な原因は、喫煙やアルコールの過剰摂取、不適合な義歯の使用、口腔内の慢性的な刺激などです。喫煙者は非喫煙者に比べて白板症になるリスクが4~6倍高いと報告されており、アルコールも発症リスクを高める要因の一つです。喫煙とアルコールを併用することで、白板症のリスクはさらに高まります。また、義歯が合っていないことで粘膜に刺激が加わり、白板症が発生することもあります。義歯を長期間使用していると、粘膜の損傷や炎症を引き起こし、白板症の原因となります。そのほか、ビタミンA不足、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、遺伝的要因なども白板症の発症に関与していると考えられています。白板症の予防には、喫煙とアルコールを控え、義歯の定期的なメンテナンスを行うことが重要です。

白板症と他の口腔疾患との違い

白板症と他の口腔疾患との違い 白板症は口腔内に白斑が現れる疾患ですが、似たような症状を示す他の口腔疾患もあります。白板症と他の疾患を混同すると、適切な治療が遅れる可能性があるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。ここでは、白板症と口内炎、口内カンジダ症、紅板症の違いについて解説します。

白板症と口内炎はどう違いますか?
口内炎は、口腔粘膜に痛みを伴う潰瘍や腫れが現れる疾患です。ストレスや細菌感染、免疫力の低下などが原因で発症します。一方、白板症は白斑が主な症状で、初期段階では痛みを伴いません。 口内炎は数日から数週間で自然治癒することが多いのに対し、白板症は自然治癒することはなく、時間とともに悪化する傾向にあります。また、口内炎は再発することがありますが、その都度治癒します。白板症は再発を繰り返し、徐々に病変が広がっていきます。口内炎と白板症は症状が似ているため、見分けが困難な場合があります。白斑が2週間以上続く場合は、白板症の可能性があるため、歯科医や口腔外科を受診する必要があります。
白板症と口内カンジダ症はどう違いますか?
口内カンジダ症は、カンジダ菌によって引き起こされる真菌感染症です。舌に限らず頬粘膜や口蓋などの口腔内に白苔が現れ、痛みを伴うことがあります。また、免疫力の低下した人に多く発症します。一方、白板症はカンジダ菌とは関係なく、喫煙や不適合な義歯などが原因で発症します。口内カンジダ症の白苔は、舌や口腔粘膜から簡単に剥がすことができます。剥がした後の粘膜は赤く腫れ、場合によっては出血を伴います。口内カンジダ症は抗真菌薬で治療しますが、白板症の治療には手術や薬物療法が用いられます。白苔や白斑が長期間続く場合は、両疾患の可能性を考え、医療機関を受診しましょう。
白板症と紅板症はどう違いますか?
紅板症は、口腔粘膜に赤い斑点や板状の変化が生じる前がん病変です。正確にはわかっていませんが白板症と同様に、喫煙や飲酒が主な原因と言われています。紅板症は白板症よりも悪性化のリスクが高いとされています。紅板症の好発部位は、舌の側面や下面、口底粘膜などです。白板症は、舌や頬粘膜、歯肉に多く発生します。紅板症と白板症はともに前がん病変であるため、定期的な経過観察が必要です。両疾患とも自覚症状に乏しいため、歯科検診で早期発見することが重要です。赤い斑点や白斑が見つかった場合は、速やかに専門医を受診しましょう。

白板症の見分け方

白板症は初期段階では自覚症状がないため、自分で見分けることは難しい疾患です。しかし、口腔内の変化に気づくことが早期発見につながります。ここでは、白板症の自己チェック方法と、医療機関での診断方法について解説します。

白板症を自分で見分ける方法はありますか?
白板症を自分で見分けることは難しいですが、以下のような口腔内の変化に気づいたら、白板症の可能性を疑いましょう。
  • 白斑が2週間以上続く
  • 白斑が徐々に大きくなる
  • 白斑の表面がザラザラしている
  • 白斑が剥がれると痛みを伴う

ただし、これらの症状は白板症以外の疾患でも見られるため、確定診断には医療機関での検査が必要です。白板症は自覚症状に乏しいため、定期的な歯科検診を受けることが早期発見のカギとなります。

白板症の疑いがある場合はどの医療機関を受診すれば良いですか?
白板症が疑われる場合は、歯科医院や口腔外科を受診しましょう。歯科医師や口腔外科医は、口腔内の詳細な検査を行い、白板症かどうかを判断します。初診時は視診や触診などを行い、必要に応じて病変部分の組織を採取し、病理検査を実施することもあります。病理検査では、細胞の異型性や分裂像を調べ、がん化の有無を確認します。白板症と診断された場合は、定期的な経過観察が必要です。病変の大きさや性状に変化がないか、がん化の兆候がないかを確認します。
医療機関での白板症の診断方法について教えてください。
医療機関では、視診、触診、病理検査などを組み合わせて、白板症の診断を行います。・視診・触診
歯科医師や口腔外科医が、肉眼で白斑の有無や性状を確認します。触診により、白斑の硬さや可動性も評価します。

・病理検査
白斑の一部を切除し、顕微鏡で細胞の異型性や分裂像を調べます。病理検査により、白板症の確定診断やがん化の有無を判断します。

・細胞診
ブラシで白斑部分の細胞を採取し、顕微鏡で観察します。細胞の異型性を調べ、がん化の可能性を評価します。

これらの検査結果を総合的に判断し、白板症の診断を行います。初期の白板症は、視診だけでは見落とされることがあるため、複数の検査方法を組み合わせることが重要です。 定期的な経過観察では、白斑の大きさや性状の変化を評価します。必要に応じて、再度病理検査や細胞診を行い、がん化の有無を確認します。早期発見と適切な管理により、白板症の悪性化を防ぐことが可能です。

白板症の治療方法

白板症の治療方法 白板症の治療は、病変の大きさや性状、がん化のリスクなどを考慮して決定されます。早期発見と適切な治療により、白板症の悪性化を防ぐことが可能です。ここでは、白板症の治療方法と予防法について解説します。

白板症の治療方法について教えてください。
白板症の治療方法は、病変の状態によって異なります。主な治療法は以下の通りです。・経過観察
小さな白斑で、がん化のリスクが低い場合は、定期的な経過観察を行います。白斑の大きさや性状に変化がないか確認し、悪性化の兆候がないかチェックします。

・外科的切除
白斑が大きい場合や、がん化のリスクが高い場合は、外科的切除を行います。病変部分を切除し、がん化を防ぎます。切除後の組織欠損は、縫合や皮弁移植で再建します。

・レーザー治療
レーザーを用いて、白斑を蒸散または切除します。外科的切除に比べて侵襲が少なく、術後の疼痛や腫れが軽減されます。ただし、病変が深部に及ぶ場合は、外科的切除が適しています。

・薬物療法
ビタミンAやβカロテンなどのサプリメントを用いて、白斑の消退を促します。がん化のリスクが低い症例に対して用いられます。

白板症の治療方針は、患者の年齢や全身状態、がん化のリスクなどを総合的に判断して決定されます。治療後も定期的な経過観察が必要であり、再発や悪性化の有無を確認します。
白板症は口腔がんの前段階である可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。口腔内に異変を感じたら、躊躇せずに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。

白板症の予防方法について教えてください。
白板症の予防には、以下のような方法が有効です。・禁煙
喫煙は白板症の最大のリスク因子です。禁煙することで、白板症の発症リスクを大幅に減らすことができます。

・アルコールの制限
アルコールも白板症のリスクを高めます。飲酒量を減らすことで、白板症の予防につながります。

・適合の良い義歯の使用
不適合な義歯は、粘膜に刺激を与え、白板症の原因となります。義歯を使用する場合は、定期的にメンテナンスを行い、適合の良い義歯を使用しましょう。

・バランスの取れた食事
ビタミンAやβカロテンなどの抗酸化物質は、白板症の予防に有効です。緑黄色野菜や果物を積極的に摂取しましょう。

・口腔衛生の維持
口腔内を清潔に保つことで、白板症の発症リスクを下げることができます。歯磨きや舌清掃、うがいを丁寧に行いましょう。

・定期的な歯科検診
白板症は自覚症状に乏しいため、定期的な歯科検診で早期発見することが重要です。年に1〜2回は歯科検診を受けましょう。

白板症の予防は、口腔がんの予防にもつながります。生活習慣の見直しと、定期的な歯科検診により、白板症の発症リスクを減らすことが可能です。口腔内の健康を維持するために、日頃から口腔衛生に気を付け、異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ 白板症は、口腔内の粘膜に白斑が現れる前がん病変です。喫煙やアルコールの多量摂取、不適合な義歯の使用などが主な原因とされています。初期段階では自覚症状に乏しいため、定期的な歯科検診で早期発見することが重要です。口腔内の変化に気づいたら、自己判断せずに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。早期発見と適切な管理が、白板症の予後を大きく左右します。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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